この記事では、1級土木施工管理技士の第一次検定・第二次検定それぞれの出題構成と合格基準、効果が出やすい勉強法とスケジュール例を解説します。経験記述の対策ポイントや2026年度(令和8年度)の試験日程もあわせて紹介します。
- 第一次検定70問・第二次検定の出題構成と、施工管理法(応用能力)に課される別枠の合格基準
- 令和7年度の合格率(第一次43.1%・第二次38.9%)から見える近年の難化傾向
- 働きながらでも進められる学習スケジュールと、過去問の使い方・時間配分の目安
- 経験記述で失点しないための書き方の型と、独学者が見落としがちな添削の重要性
1級土木施工管理技士の試験対策で最初に押さえておきたいこと
1級土木施工管理技士は、第一次検定(学科)と第二次検定(経験記述・実地)でまったく違う対策が必要になる資格です。第一次検定は知識の暗記と過去問演習が中心ですが、第二次検定は自分の現場経験を文章で説明する記述式が主体になります。同じ勉強時間をかけても、どちらの対策に振り分けるかで結果が変わってきます。
第一次検定と第二次検定は「対策の種類」が違う
第一次検定に合格すると「1級土木施工管理技士補」の称号が得られ、その後に実務経験を積んでから第二次検定に進みます。第一次検定は知識量が得点に直結しますが、第二次検定は自分の実務経験をどう言葉にするかが問われるため、暗記量よりも準備の質と早さが結果を左右します。
令和7年度の合格率は第一次43.1%・第二次38.9%
令和7年度は第一次検定の受験者47,715人に対し合格者20,547人で合格率43.1%、第二次検定は受験者24,667人に対し合格者9,603人で合格率38.9%でした。第一次検定の合格率は年々下がっており、直近5年の推移は次のとおりです。
| 年度 | 第一次検定 合格率 |
|---|---|
| 令和3年度 | 60.6% |
| 令和4年度 | 54.6% |
| 令和5年度 | 49.5% |
| 令和6年度 | 44.4% |
| 令和7年度 | 43.1% |
出典:土木施工管理技術検定 公表データをもとに作成
受験資格の緩和で受験者の裾野が広がったぶん、対策が不十分なまま受ける人も増えています。合格率の数字だけを見て不安になる必要はありませんが、「なんとなく過去問を解く」だけでは通用しにくくなっているのが実情です。
第一次検定(学科)の出題構成と合格基準
第一次検定は全101問の中から70問を解答する形式(必須40問+選択30問)で、四肢択一式のマークシートです。試験時間は午前2時間30分・午後2時間の計4時間30分です。専門土木のように「一部だけ選んで解答する」科目がある一方、施工管理法などは必須解答になっており、分野ごとの仕組みを理解しておく必要があります。
分野ごとの出題数と解答数
| 分野 | 出題数 | 解答数 |
|---|---|---|
| 土木一般 | 15問 | 12問選択 |
| 専門土木 | 34問 | 10問選択 |
| 法規 | 12問 | 8問選択 |
| 工学基礎知識 | 5問 | 5問(必須) |
| 共通工学(施工管理法など) | 20問 | 20問(必須) |
| 施工管理法(応用能力) | 15問 | 15問(必須) |
| 合計 | 101問 | 70問 |
出題構成(全国建設研修センター公表の受検の手引をもとに作成、年度により変動あり)
合格ラインは「総得点60%」と「応用能力60%」の二重基準
第一次検定の合格基準は、総得点60%以上(42問以上正解)に加えて、施工管理法(応用能力)の問題で単独60%以上(9問以上正解)を取ることという二段構えになっています。総得点で60%を超えていても、応用能力の得点が基準に届かなければ不合格です。得意分野で稼いで応用能力を捨てる、という戦略が通用しない試験だと理解しておく必要があります。
第一次検定に受かるための勉強法と得点戦略
第一次検定で独学者がつまずきやすいのが、専門土木の範囲を全部覚えようとして時間切れになるケースです。専門土木は34問中10問しか解答する必要がありません。自分の実務経験がある工種を3つ程度に絞り、そこだけを深く固めるほうが、広く浅く手を出すより得点効率が高くなります。
得点戦略の基本ステップ
- 過去問を1〜2年分解いて現状の点数と苦手分野を把握する
- 専門土木は経験のある工種を3〜4分野に絞り、それ以外は捨てる判断をする
- 法規と施工管理法(応用能力)は満点近くを狙う得点源として優先的に固める
- 過去問は7年分を目安に3周し、間違えた問題を科目別に仕分けて弱点を潰す
学習時間の目安
- 実務経験が豊富な人:200〜300時間程度が目安
- 実務経験が浅い人:400時間以上を見込んでおくと安心
- 平日:通勤・休憩時間を使って1〜1.5時間
- 休日:苦手分野の集中演習に3〜5時間
現場の繁忙期は勉強時間の確保自体が難しくなります。試験日から逆算し、繁忙期に入る前に土木一般・法規の暗記を終わらせておくと、直前期を過去問の反復だけに集中させられます。
第二次検定「経験記述」を突破する書き方のコツ
第二次検定の最大の関門は経験記述です。必須設問の施工経験記述が無記載の場合、それ以降の設問は採点すらされません。配点比重も高く、ここでの出来が合否を大きく左右します。
品質・安全・工程、複数テーマへの備えが必須
出題テーマは施工計画・工程管理・品質管理・安全管理・環境対策の5系統で、近年は品質管理と安全管理が中心です。1テーマだけ準備して当日外れると手が止まってしまうため、品質・安全・工程の3テーマは最低限、自分の実務経験に基づいた記述例を用意しておくのが安全です。
「工事概要→技術的課題→検討内容→対応処置」の型で書く
経験記述の基本構造は「工事概要」「技術的課題」「検討内容」「対応処置」の4ブロックです。文末表現は「〜である」調で統一するのが基本的なルールとされています。使える工事は、自分が現場代理人・監理技術者・主任技術者・工事担当者のいずれかの立場で実際に関与したものに限られます。会社の実績であっても、自分が担当していない工事の内容は使えません。
独学の経験記述はなぜ評価が伸びにくいのか
経験記述は選択問題と違い、自分の書いた文章が採点基準に合っているかを独学だけで判断するのが難しい分野です。数値を使った具体的な記述になっているか、課題と対応処置が論理的につながっているかは、自己流で書き続けているうちは意外と気づけません。上司や講師など第三者に早い段階で添削してもらう体制を作っておくことが、独学であっても現実的な合格戦略になります。
第二次検定に進むための実務経験年数や新旧制度の違いは、土木施工管理技士の受験資格で詳しく整理しています。

独学と通信講座、どちらで対策すべきか
第一次検定は独学でも十分に対策できますが、第二次検定の経験記述だけは独学の限界が出やすい部分です。それぞれの向き・不向きを整理すると次のようになります。
| 比較項目 | 独学 | 通信講座 |
|---|---|---|
| 費用 | 参考書代のみで安く済む | 数万円程度の受講料がかかる |
| 第一次検定対策 | 過去問中心で十分対応可能 | 解説動画で理解を補える |
| 第二次検定・経験記述 | 添削者がいないと精度が上がりにくい | 添削サービスが受けられる講座が多い |
| 向いている人 | 自己管理が得意で周囲に添削者がいる人 | 経験記述に不安がある人・独学で伸び悩んだ人 |
第一次検定だけなら独学で費用を抑え、経験記述の添削だけ職場の先輩や外部の講座に頼るという組み合わせ方も現実的です。
2026年度(令和8年度)の試験日程と申込スケジュール
試験は一般財団法人全国建設研修センターが実施します。令和8年度の日程と受検手数料は次のとおりです。
| 区分 | 試験日 | 申込期間 | 受検手数料 |
|---|---|---|---|
| 第一次検定 | 7月5日(日) | 3月23日〜4月6日(ネット申込) | 12,000円(非課税) |
| 第二次検定 | 10月4日(日) | 3月23日〜4月6日(ネット申込) | 12,000円(非課税) |
出典:一般財団法人 全国建設研修センター 公表の令和8年度試験日程をもとに作成
書面申込は3月6日から受け付けが始まりますが、ネット申込・書面申込のいずれも締切は4月6日で共通です。申込期間は約2週間しかなく、過ぎると理由を問わず受験できません。受験を決めたら、実務経験証明書などの必要書類を早めに準備しておくことをおすすめします。インターネット申込の場合は、手数料とは別に事務手続手数料250円(税込)がかかります。
1級土木施工管理技士の転職におすすめの転職エージェント
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まとめ
- 第一次検定は全101問中70問を解答する四肢択一式で、総得点60%以上に加え施工管理法(応用能力)で単独60%以上が必要
- 令和7年度の合格率は第一次43.1%・第二次38.9%で、近年は難化傾向にある
- 専門土木は得意分野に絞り、過去問7年分を反復するのが得点効率の高い勉強法
- 第二次検定の経験記述は「工事概要→技術的課題→検討内容→対応処置」の型で書き、早めに第三者の添削を受ける
令和8年度の申込期間は3月23日から4月6日までと限られています。まずは第一次検定の出題構成を頭に入れ、専門土木で自分が解答する分野を決めるところから始めてください。経験記述は着手が早いほど余裕を持って添削のサイクルを回せます。
1級土木施工管理技士の試験対策に関するよくある質問
- 1級土木施工管理技士の第一次検定は独学でも合格できますか?
-
独学でも十分に合格を狙える試験です。過去問を中心に出題傾向を把握し、専門土木は自分の実務経験がある分野に絞って学習すれば、200〜300時間程度でも合格ラインに届く人は少なくありません。ただし経験記述が中心の第二次検定は独学だと評価の基準が分かりにくいため、上司や講師など第三者に添削してもらう体制を早めに作っておくと安心です。
- 令和8年度の1級土木施工管理技士の試験日はいつですか?
-
第一次検定は7月5日(日)、第二次検定は10月4日(日)に実施されます。申込期間はインターネットの場合3月23日から4月6日までと短いため、受験を決めたら実務経験証明書などの必要書類を早めに準備しておいてください。
- 経験記述はどんな工事の実務経験があれば書けますか?
-
自分が現場代理人・監理技術者・主任技術者・工事担当者などの立場で実際に関与した工事に限られます。会社の実績であっても自分が担当していない工事は使えないため、これまで携わった工事の中から品質・安全・工程のテーマに合う事例を2〜3件整理しておくと、当日どのテーマが出ても対応しやすくなります。
- 第一次検定に合格した後、第二次検定はいつ受けられますか?
-
新制度では、第一次検定合格後に実務経験5年以上(特定実務経験がある場合は3年以上)を満たすと第二次検定を受験できます。実務経験の年数を満たすまでの間は「1級土木施工管理技士補」として現場に配置できるため、経験を積みながら第二次検定の対策を進める流れが一般的です。

