【一級建築士の年収・給料を比較】稼げる建築士になるには?

目次

こんにちは、建設業に特化した求人サイト・転職エージェントの「施工管理求人.com」です。


建築業界に興味を持っている方や、建築関係の仕事をされている方は、「一級建築士ってどのぐらい稼げるんだろう?」と気になりませんか? また、二級建築士の方で「一級建築士の資格を取ったらどのくらい年収上がるかな」と考えている方もいらっしゃると思います。
今回の記事では、一級建築士の、年収・給料事情 についてお伝えしていきます。是非ご覧になってみてください!


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企業規模別に見る、一級建築士の平均年収

日本建築士会連合会が発表した情報によると、平成30年4月1日時点での一級建築士の登録者数は、36万9,849名となっています。一級建築士の資格は、建築業界で働く方の多くが、手に入れたいと思う資格なのではないでしょうか。
また、一級建築士の学科試験は、毎年約25,000人もの人が受験しており、人気が高い資格と言えるでしょう!


そんな一級建築士ですが、資格を取って企業に就職した場合、どれくらいの年収や給与が貰えるのでしょうか?
今回は、厚生労働省『賃金構造基本統計調査のデータ/出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)』をもとに、一級建築士の年収・給与について、企業規模別に見ていきたいと思います。


なお、下記の表は政府統計の総合窓口(e-Stat)出典の、賃金構造基本統計調査「職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」による一級建築士のデータを抜粋しています。



企業規模・・・「10~99人の会社」の場合


平均年齢平均勤続年数平均月間給与平均年間賞与平均年収
平成25年51.5歳15.3年36万7,700円104万4,500円545万6,900円
平成26年52.1歳17.4年40万2,300円60万8,000円543万5,600円
平成27年54.6歳15.9年38万5,400円104万2,700円566万7,500円
平成28年52.1歳14.5年39万6,000円86万4,300円561万6,300円
平成29年53.2歳12.9年40万1,500円105万2,800円587万800円


企業規模が10~99名の会社には、少人数で運営している工務店や、中小規模な建築設計事務所などが当てはまると考えられます。 過去5年間分のデータを見てみると、平均年収のボリュームゾーンは、500~600万円台が多いということが言えそうです。


企業規模・・・「100~999人の会社」の場合


平均年齢平均勤続年数平均月間給与平均年間賞与平均年収
平成25年46.9歳13.1年35万4,700円89万9,800円515万6,200円
平成26年49.6歳10.7年38万4,300円91万8,200円552万9,800円
平成27年44.8歳11.2年40万5,200円93万2,400円579万4,800円
平成28年47.6歳11.9年45万200円125万8,600円666万1,000円
平成29年46.2歳12年42万700円135万2,000円640万400円


企業規模が100~999名の会社には、ハウスメーカー(中堅・大手)や、大手の建築設計事務所などが当てはまると考えられるでしょう。月間給与は30万円~40万円台平均年収は500万円~600万円台がボリュームゾーンです。
このグラフだけをみると、『企業規模10~99人の会社』と『企業規模100~999人の会社』の月間給与・平均年収の差は、あまり見られないと言えるでしょう。


企業規模・・・「1,000人以上の会社」の場合


平均年齢平均勤続年数平均月間給与平均年間賞与平均年収
平成25年45.6歳17.6年54万7,200円275万5,400円932万1,800円
平成26年45歳16.1年51万5,900円253万2,900円872万3,700円
平成27年43.6歳17.6年51万5,100円251万4,700円869万5,900円
平成28年43.2歳10年46万4,700円132万2,400円689万8,800円
平成29年48.3歳16.9年48万2,000円222万円800万4,000円


企業規模が1,000名以上の会社には、ゼネコン(スーパーゼネコン、大手ゼネコン、中堅ゼネコン)などが当てはまると考えられます。


今回参考にしたデータは、平均年収が40代・50代で、勤続年数も10年以上なので、【経験を積んだベテランの年収イメージ】と捉えられます。建築の業界では、経験が特に重視されています。ですから、例えば20代の若いうちに一級建築士の資格をとって、経験を重ねていけば、500~800万円の年収を稼ぐことも十分可能だと思いますよ!
年収には企業の規模だけでなく、地域差・年齢・経験値など様々な要素が絡んでくるので、一概に断言することはできませんが、 1つの目安として考えられるでしょう。



ゼネコンに勤める、一級建築士の平均年収

続いては、ゼネコンの企業に勤めた時の年収についてお話していきます。
一級建築士の年収について調査している中で、「ゼネコンが稼げる」という意見を多く目にしました。先程お伝えした、賃金構造基本統計調査のデータからも、「企業規模の大きいゼネコンは、年収が高そう」というイメージを持つことが出来ると思います。


では実際に、ゼネコンの建築部署に勤めている方はどのくらいの年収を稼いでいるのでしょうか?
ゼネコンと言っても、「スーパーゼネコン」「大型ゼネコン」「中型ゼネコン」と色々あるので、今回は中途採用情報などを参考にしながら、企業規模ごとに年収の目安を割り出してみました。


◆ スーパーゼネコンの建築部署の場合

【A社】
仕事内容 : 建築設計
応募条件 : 大卒以上、一級建築士必須、設計の経験5年以上
モデル給与 : (設計経験10年)基本給34万円~/(設計経験15年)基本給42万円~

▼年収を計算すると・・・
(設計経験10年)
基本給34万円×12ヶ月+賞与100万円~200万円+手当=508万円~608万円+手当
(設計経験15年)
基本給42万円×12ヶ月+賞与100万円~200万円+手当=604万円~704万円+手当


【B社】
仕事内容 : 建築設計
応募条件 : 大卒以上、一級建築士必須、設計等の経験必須
モデル給与 : 30歳・600万円/35歳・750万円/管理職・1,000万円以上


【C社】
仕事内容 : 建築設計
応募条件 : 大卒以上、一級建築士必須、経験3年以上
モデル給与 : 30代主任・690万円/40代管理職・890万円



◆ 大型ゼネコンの建築部署の場合

【A社】
仕事内容 : 建築設計
応募条件 : 大卒以上、一級建築士必須、設計の経験5年以上
モデル給与 : 500万円


【B社】
仕事内容 : 建築設計
応募条件 : 高卒以上、一級建築士必須、設計の実務経験
モデル給与 : 30代・530万円程度(賞与・手当込)/40代管理職・705万円(賞与・手当込)


【C社】
仕事内容 : 建築設計
応募条件 :一級建築士必須
モデル給与 : (30代主任)基本給33万9,000円/(30代係長)基本給41万5,000円

▼年収を計算すると・・・
(30代主任)
基本給33万9,000円×12ヶ月+賞与100万円~200万円+手当=506万8,000円~606万8,000円
(30代係長)
基本給41万5,000円×12ヶ月+賞与100万円~200万円+手当=598万円~698万円



◆ 中型ゼネコンの建築部署の場合

【A社】
仕事内容 : 設備設計
応募条件 :一級建築士必須
モデル給与 : 30歳・740万円/35歳・800万円/40歳・980万円


【B社】
仕事内容 : 建築設計
応募条件 :一級建築士必須
モデル給与 : 30歳・511万円/35歳・620万円/40歳・716万円/45歳・842万円


いかがでしたでしょうか。会社によってバラつきは見られるものの今回調査した中では、一級建築士の資格を持っている方がゼネコン企業に転職できた場合に、年収500万円を切るケースはありませんでした。
また、ゼネコンの管理職になると、700万円~1,000万円程度の年収が見込まれそうです。年収の数字だけを見ると、とても魅力的に見えたりしますが、残業時間や責任の重さなどを考慮すると、妥当な数字と言えるかもしれませんね。



『一級建築士』と『二級建築士』の年収を比較

この記事を読んでくださっている方の中には、「二級建築士から一級建築士へステップアップしたい」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、「一級建築士の資格取得を機に、転職を考えている」なんて方もいると思います。
そんなとき、【二級建築士と一級建築士の年収・給料の差】って気になったりしませんか?


ネットでの求人情報等をもとにして、二級建築士の年収を調査したところ、350万円~500万円台がボリュームゾーンであるという事が分かっています。一級建築士の年収については、これまでお伝えしてきた内容を踏まえて500万円~600万円台がボリュームゾーンだと言えるでしょう。勤める会社によって多少変わってくると思いますが、二級建築士と一級建築士の年収の差は、100万円~200万円程度になりそうです。



一級建築士のリアルな年収事情、調査しました!

続いては、一級建築士の方の、個人的な給与事情についてお話していきます。 実際に一級建築士の資格を持っている方3人に、「どのくらいの給料を貰っているのか」をインタビューしてみました。 そこで得た情報を少しだけご紹介しますので、是非ご覧になってみてください。


【建築設計事務所 40代 男性】
今は設計事務所で、家やビルなどの設計をしています。年収は500万円に届かないくらいです。会社自体はそこそこ大きいので、安定性はあると思います。やりがいもあるし仕事は楽しいけれど、残業が多いことが結構辛い!こだわりのある家を造って、お客さんに喜んでもらえるのは嬉しいけれど、たまには何も考えずにゆっくり休みたいですね・・・。


【ハウスメーカー 20代 男性】
地方なのでしょうがないと思うけれど、ちょっと給料低いです。300万円くらいです。「正直サラリーマンと年収変わらないのかな」って思う時もありますが、やりがいは建築士の方が何倍も大きいと信じています。良い依頼者と出会えると、設計から引き渡しまで楽しいので、ちょっとくらい給料低くてもまあいいか!とポジティブに考えるようにしていますね。


【ハウスメーカー 40代 男性】
前職は拘束時間も長かったし、給料も安かった。一級建築士の資格をとって思い切って転職したら、 年収が100万円くらい上がって、今は500~600万円くらい貰っています。残業はあるけれど、前職よりは大分少なくなったし、転職して正解でしたね。




一級建築士として年収UP・給料を狙うなら

最後に、一級建築士として働いているけれど「給料に満足いっていない」と感じている方へ、年収や給料をUPできるような方法をご紹介したいと思います。
少しでもあなたのお役に立つことが出来れば嬉しいです。


【ゼネコンの建築部署に転職する】

今回、この記事の中で何度も『ゼネコン』という言葉が登場してきましたが、賃金構造基本統計調査のデータを見ても分かる通り、ゼネコンなどの大規模な建築を行う会社に勤めたほうが、年収や給料が高くなる可能性があります。ただし、残業時間が多くなってしまうという点や、入社までのハードルの高さ(学歴や経験年数の壁)などが懸念されるでしょう。
収入面を特に重視されている方でしたら、一度、ゼネコン企業の一級建築士のスキルを活かせる部署へチャレンジしてみることをオススメします。



【建築士の周辺の資格を取ってスキルアップ】

建築の業界で稼いでいる人の中には、建築士の資格だけでなく、「建築に関連したその他の資格」など、複数のスキルを持っている方が多いようです。
建築に関連した資格には、例えば、下記の資格が挙げられます。


★一級・二級建築施工管理技士
★福祉住環境コーディネーター
★インテリアコーディネーター
★カラーコーディネーター
★マンション管理士
★宅地建物取引士
★電気工事施工管理技士
★電気主任技術者   etc・・・

会社によっては資格手当等が付いたり、資格取得支援で受験費用が負担されたりと、 資格に関するサポートを行っている会社もたくさんあります。
また、色々な資格を持っていることにより、上司に頼りにされたり、依頼者からの信用度も上がるかもしれません。



【独立する】

一級建築士の資格をもったら「独立」を考える方も多いと思います。
「独立したら年収が上がるのか」と問われると、はっきりとお答えすることはできませんが、経験や実力、経営力によっては、年収1,000万円を稼ぐとこも夢ではありません。


しかし、独立するのにはそれなりにリスクが伴い、仕事が無ければ「収入無し」ということもあり得ます。独立している方の中には、仲良くしている設計事務所やハウスメーカーなどから仕事を貰っているという方もいらっしゃいました。
建築士として独立するのであれば、経験や実力だけでなく、人脈の広さも重要であると言えそうです。



まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございます。今回は一級建築士の年収や給与についてお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。
この記事を読んで得た情報が、あなたのお役に立つことをお祈りいたします。


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