平成27年 1級土木施工管理技士
第5回
【問題A(選択問題)】
次の各問いには、4通りの答えが書いてある。
それぞれの問いに対して答えを1つ選びなさい。
浚渫船の特徴に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) ポンプ浚渫船は、掘削後の水底面の凹凸が比較的小さいため、構造物の築造箇所の浚渫工事に使用されることが多い。
(2) バックホウ浚渫船は、バックホウを台船上に搭載した浚渫船で、比較的規模の小さい浚渫工事に使用されることが多い。
(3) グラブ浚渫船は、適用される地盤の範囲はきわめて広く、軟泥から岩盤まで対応可能で、浚渫深度の制限も少ない箇所に使用されることが多い。
(4) ドラグサクション浚渫船は、自航できることから機動性に優れ、主に船舶の往来が頻繁な航路などの維持浚渫に使用されることが多い。
上水道の管布設工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) 埋戻しは、片埋めにならないように注意しながら、厚さ30cm以下に敷き均し、現地盤と同程度以上の密度となるように締め固める。
(2) 床付面に岩石、コンクリート塊などの支障物がでた場合は、床付面より10cm以上取り除き、砂などに置き換える。
(3) 床付け及び接合部の掘削は、配管及び接合作業が完全にできるよう、えぐり掘りにより所定の形状に仕上げる。
(4) 既設管との連絡工事箇所(接続工事箇所)では、試掘調査を行い、既設管の位置、管種、管径など及び他の埋設物の確認を行う。
鉄道の軌道における維持管理に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) 軌道変位の通り変位の測定は、直線部では線路の起点を背にして左側レールを、また、曲線部では車両走行特性への影響が大きい内軌側レールを測定する。
(2) 軌道変位の状態は、日常の巡回検査や検測車による定期的な検測により常に把握し、不良箇所は速やかに適切な補修作業を行う。
(3) レールの摩耗は、直線区間ではレールの頭部が、また、曲線区間では外側のレールの頭部が顕著に摩耗する。
(4) バラストは、列車通過のたびに繰返しこすれ合うことにより、次第に丸みを帯び、軌道に変位が生じやすくなるため、丸みを帯びたバラストは順次交換する。
鉄道工事における砕石路盤の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) 敷き均した路盤材は、雨水などによる含水比の変化が生じないように、原則として敷き均した日のうちに排水勾配をつけて平滑に締め固める。
(2) 構造物の取付け部や路肩付近での施工は、路盤材のまき出しや敷均しに十分注意し、転圧に小型機械を用い入念に締め固める。
(3) 盛土材料が良質土で路盤材料として適合した同一材料を路盤上に使用する場合は、路盤の施工は盛土の施工と一体として行う。
(4) 路盤材料は、列車荷重を支えるのに十分な強度が必要であることを考慮して、クラッシャランなどの砕石やクラッシャラン鉄鋼スラグを用いる。
小口径管推進工法の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) 滑材の注入における誘導管の滑材吐出口の位置は任意に設定できるため、推進力の推移をみながら位置を決定し滑材注入を行う。
(2) 推進作業では、切羽を安定させ、推進管にかかる推進力を確認し、排土量が過多にならないよう留意する。
(3) 初期掘進時には、先導体や推進諸設備に固有の動作特性があるため、先導体の特性をできるだけ早く把握して、地山の変化や蛇行に迅速に対処できるように努める。
(4) 推進工法の管理では、一般に推進速度が速く方向制御のタイミングの遅れにより計測線からのずれや蛇行が生じやすいため、リアルタイムで先導体の位置を把握し、正確にオペレーションする。
下水道管きょの接合に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) 管きょが合流する場合は、流水について十分検討し、マンホールの形状及び設置箇所、マンホール内のインバートなどで対処する。
(2) 地表勾配が急な場合には、管きょ径の変化の有無にかかわらず、原則として地表勾配に応じ、段差接合又は階段接合とする。
(3) 管きょの方向、勾配又は管きょ径の変化する箇所及び管きょの合流する箇所には、マンホールを設ける。
(4) 管きょ径が変化する場合又は2本の管きょが合流する場合の接合方法は、原則として管底接合又は管中心接合とする。
鋼道路橋の現場塗膜除去の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) 環境対応形塗膜はく離剤による塗膜除去は、塗膜にはく離剤成分を浸透させるので、既存塗膜の膜厚が大きい場合、塗付時及び塗膜浸透時の気温が低い場合には塗膜はく離がし難いことが ある。
(2) 環境対応形塗膜はく離剤による塗膜除去は、塗膜をシート状に軟化させ塗膜を回収するので、塗膜ダストや騒音が発生しない。
(3) 環境対応形塗膜はく離剤による塗膜除去は、塗膜を溶解して除去する従来の塗膜はく離とは異なり、高級アルコールを主成分とするため毒性及び皮膚刺激性が少ない。
(4) 環境対応形塗膜はく離剤による塗膜除去は、塗替えの素地調整程度1種相当のブラスト法と比較すると、さびや黒皮、長ばく形エッチングプライマーによる塗膜や旧塗膜の除去に優れている。
港湾工事におけるケーソンの製作・進水方式に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) 吊り降し方式では、吊り鉄筋の大きさと埋込み長さは、ケーソンの空中重量、ケーソンのふく らみによる付加重量及び底面付着力に耐えることが必要である。
(2) 浮ドック方式では、係留場所の背後に型枠置場、鉄筋加工場などの作業用地を必要としないが、 浮ドックの吃水に十分な水深がある静穏な係留場所が必要である。
(3) 吊り降し方式では、既設護岸の背後などでケーソンを製作するため、計画時にケーソンの自重による既設護岸の安定などを確認しておく必要がある。
(4) 浮ドック方式では、ケーソン進水時は適当な水深の場所に船体を引出し、船艙内に注入し船体を沈下させ、ケーソンを進水させることができる。
構造物などに近接して行う薬液注入に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) 注入中は周辺地盤や構造物などの監視を十分に行い、注入圧力の上昇に注意しながら施工する。
(2) 注入孔の位置は、間隔を密に配置して、孔1本当たりの注入量を少なくする。
(3) 注入順序は、構造物に影響のないように、構造物の近くから遠くへ注入を進める。
(4) 注入材はゲルタイムを短くし、注入速度を速くして施工する。
シールド工法におけるセグメントに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) セグメントの組立は、トンネル断面の確保、止水効果の向上や地盤沈下の減少などからセグメ ントの継手ボルトを定められたトルクで十分に締付けるようにする。
(2) 合成セグメントは、同じ断面であれば高い耐力と剛性を付与することが可能なことから、鉄筋コンクリートセグメントと比較してセグメントの高さを低減できる。
(3) 鋼製セグメントは、材質が均一で比較的軽量であるため施工性がよく、コンクリート系セグメ ントと比べると耐圧縮性に優れ、土圧、ジャッキ推力などによる座屈や変形の発生が少ない。
(4) セグメントの損傷を防止するには、セグメントの強度を考慮して、1本当たりのジャッキ推力を小さくするため、多くのジャッキを使用して所要推力を得るようにするのが望ましい。