令和2年 1級土木施工管理技士
第3回
【問題A(選択問題)】
次の各問いには、4通りの答えが書いてある。
それぞれの問いに対して答えを1つ選びなさい。
急傾斜地崩壊防止工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
(1) もたれ式コンクリート擁壁工は、重力式コンクリート擁壁と比べると崩壊を比較的小規模な壁体で抑止でき、擁壁背面が不良な地山において多用される工法である。
(2) 落石対策工は、落石予防工と落石防護工に大別され、落石予防工は斜面上の転石の除去などにより落石を未然に防ぐものであり、落石防護工は落石を斜面下部や中部で止めるものである。
(3) 切土工は、斜面の不安定な土層、土塊をあらかじめ切り取ったり、斜面を安定勾配まで切り取る工法であり、切土した斜面への法面保護工が不要である。
(4) 現場打ちコンクリート枠工は、切土法面の安定勾配が取れない場合や湧水をともなう場合などに用いられ、桁の構造は一般に無筋コンクリートである。
多自然川づくりにおける護岸に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) 石系護岸の材料を現地採取で行う場合は、採取箇所の河床に点在する径の大きい材料を選択的に採取すると、河床の土砂が移動しやすくなり、河床低下の原因となるので注意が必要である。
(2) 石系護岸は、石と石のかみ合わせが重要であり、空積みの石積みや石張りでは、石のかみ合わせ方に不備があると構造的に安定しないので注意が必要である。
(3) かご系護岸は、屈とう性があり、かつ空げきがある構造のため生物に対して優しいが、かごの上に現場発生土を覆土しても植生の復元が期待できないので注意が必要である。
(4) コンクリート系護岸は、通常、彩度は問題にならないことが多いが、明度は高いため周辺環境との明度差が大きくならないよう注意が必要である。
鋼道路橋における高力ボルトの締付け作業に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
(1) トルク法によって締め付けたトルシア形高力ボルトは、各ボルト群の半分のボルト本数を標準として、ピンテールの切断の確認とマーキングによる外観検査を行う。
(2) ボルト軸力の導入は、ナットを回して行うのを原則とするが、やむを得ずボルトの頭部を回して締め付ける場合は、トルク係数値の変化を確認する。
(3) 回転法によって締め付けた高力ボルトは、全数についてマーキングによる外観検査を行い、回転角が過大なものについては、一度緩めてから締め直し所定の範囲内であることを確認する。
(4) 摩擦接合において接合される材片の接触面を塗装しない場合は、所定のすべり係数が得られるよう黒皮をそのまま残して粗面とする。
河川堤防の施工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
(1) 築堤盛土の締固めは、堤防横断方向に行うことが望ましく、締固めに際しては締固め幅が重複するように常に留意して施工する。
(2) 築堤盛土の施工中は、法面の一部に雨水が集中して流下すると法面侵食の主要因となるため、堤防横断方向に3~5%程度の勾配を設けながら施工する。
(3) 築堤盛土の敷均しをブルドーザで施工する際は、高まきとならないように注意し、一般的には1層当たりの締固め後の仕上り厚さが50cm以下となるように敷均しを行う。
(4) 築堤盛土の施工において、高含水比粘性土を敷き均す際は、接地圧の大きいブルドーザによる盛土箇所までの二次運搬を行う。
コンクリート構造物の劣化に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
(1) 中性化と水の浸透にともなう鋼材腐食は、乾燥・湿潤が繰り返される場合と比べて常時滞水している場合の方が腐食速度は速い。
(2) 塩害環境下においては、一般に構造物の供用中における鉄筋の鋼材腐食による鉄筋断面の減少量を考慮した設計を行う。
(3) 凍結防止剤として塩化ナトリウムの散布が行われる道路用コンクリート構造物では、塩化物イオンの影響によりスケーリングによる表面の劣化が著しくなる。
(4) アルカリ骨材反応を抑制する方法は、骨材のアルカリシリカ反応性試験で区分A「無害」と判定された骨材を用いる方法に限定されている。
鋼道路橋の架設上の留意事項に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) I形断面部材を仮置きする場合は、転倒ならびに横倒れ座屈に対して十分に注意し、汚れや腐食などに対する養生として地面より50mm以上離すものとする。
(2) 連続桁の架設において、側径間をカウンターウエイトとして中央径間で閉合する場合には、設計時に架設応力や変形を検討し、安全性を確認しておく必要がある。
(3) 部材の組立に使用する仮締めボルトとドリフトピンの合計は、架設応力に十分耐えるだけの本数を用いるものとし、その箇所の連結ボルト数の1/3程度を標準とする。
(4) 箱形断面の桁は一般に剛性が高いため、架設時のキャンバー調整を行う場合には、ベントに大きな反力がかかるので、ベントの基礎及びベント自体の強度について十分検討する必要がある。
地すべり防止工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) 排土工は、排土による応力除荷にともなう吸水膨潤による強度劣化の範囲を少なくするため、地すべり全域に渡らず頭部域において、ほとんど水平に大きな切土を行うことが原則である。
(2) 地表水排除工は、浸透防止工と水路工に区分され、このうち水路工は掘込み水路を原則とし、合流点、屈曲部及び勾配変化点には集水ますを設置する。
(3) 杭工は、原則として地すべり運動ブロックの中央部より上部を計画位置とし、杭の根入れ部となる基盤が強固で地盤反力が期待できる場所に設置する。
(4) 地下水遮断工は、遮水壁の後方に地下水を貯留し地すべりを誘発する危険があるので、事前に地質調査などによって潜在性地すべりがないことを確認する必要がある。
道路のアスファルト舗装における路床の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) 盛土路床は、使用する盛土材の性質をよく把握した上で均一に敷き均し、施工後の降雨排水対策として、縁部に仮排水溝を設けておくことが望ましい。
(2) 路床の安定処理工法による構築路床の施工では、一般に路上混合方式で行い、所定量の安定材を散布機械又は人力により均等に散布する。
(3) 構築路床の施工終了後、舗装の施工までに相当の期間がある場合には、降雨によって軟弱化したり流出したりするおそれがあるので、仕上げ面の保護などに配慮する必要がある。
(4) 路床の置き換え工法は、原地盤を所定の深さまで掘削し、置換え土と掘削面を付着させるため掘削面をよくかきほぐしながら、良質土を敷き均し、締め固めて仕上げる。
損傷を生じた鉄筋コンクリート構造物の補修に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) 有機系表面被覆工法による補修には塗装工法とシート工法があり、塗装工法はコンクリート表面を十分吸水させた状態で塗布する。
(2) 無機系表面被覆工法による補修を行う場合には、コンクリート表面の局所的なぜい弱部は除去し、また空げきはパテにより充てんし、段差や不陸もパテにより解消する。
(3) 断面修復による補修を行う場合は、補修範囲の端部にはカッターを入れるなどによりフェザーエッジを回避する。
(4) 外部電源方式の電気防食工法は、防食電流の供給システムの性能とその耐久性などを把握し、適切なシステム全体の維持管理を行う必要がある。
鋼道路橋に用いる耐候性鋼材に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) 耐候性鋼用表面処理剤は、耐候性鋼材表面の緻密なさび層の形成を助け、架設当初のさびむらの発生やさび汁の流出を防ぐことを目的に使用される。
(2) 耐候性鋼材の箱桁の内面は、気密ではなく結露や雨水の浸入によって湿潤になりやすいと考えられていることから、通常の塗装橋と同様の塗装をするのがよい。
(3) 耐候性鋼材は、普通鋼材に適量の合金元素を添加することにより、鋼材表面に緻密なさび層を形成させ、これが鋼材表面を保護することで鋼材の腐食による板厚減少を抑制する。
(4) 耐候性鋼橋に用いるフィラー板は、肌隙などの不確実な連結を防ぐためのもので、主要構造部材ではないことから、普通鋼材が使用される。
砂防えん堤の基礎の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) 基礎掘削は、砂防えん堤の基礎として適合する地盤を得るために行われ、えん堤本体の基礎地盤へのかん入による支持、滑動、洗掘などに対する抵抗力の改善や安全度の向上がはかられる。
(2) 基礎掘削の完了後は、漏水や湧水により、水セメント比が変化しないように処理を行った後にコンクリートを打ち込まなければならない。
(3) 砂礫基礎の仕上げ面付近の掘削は、掘削用重機のクローラ(履帯)などによって密実な地盤がかく乱されることを防止するため0.5m程度は人力掘削とする。
(4) 砂礫基礎の仕上げ面付近にある大転石は、その1/2以上が地下にもぐっていると予想される場合は取り除く必要はないので存置する。
河川堤防における軟弱地盤対策工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) 段階載荷工法は、基礎地盤がすべり破壊や側方流動を起こさない程度の厚さでゆっくりと盛土を行い、地盤の圧密の進行にともない、地盤のせん断強度の減少を期待する工法である。
(2) 押え盛土工法は、盛土の側方に押え盛土を行いすべりに抵抗するモーメントを増加させて盛土のすべり破壊を防止する工法である。
(3) 掘削置換工法は、軟弱層の一部又は全部を除去し、良質材で置き換えてせん断抵抗を増加させるもので、沈下も置き換えた分だけ小さくなる工法である。
(4) サンドマット工法は、軟弱層の圧密のための上部排水の促進と、施工機械のトラフィカビリティーの確保をはかる工法である。