【2025年版】1級建築施工管理技士 合格後申請手続きの流れ・方法は?

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1級建築施工管理技士試験、合格誠におめでとうございます!これまでの努力が実を結び、大きな達成感と将来への期待で胸がいっぱいなことでしょう。

しかし同時に、「合格通知は届いたけど、次は何をすればいいの?」「免許申請ってどうやるの?」といった、手続きに関する疑問や少しの不安も感じているかもしれません。

一般財団法人建設業振興基金 試験研修本部が発行する「受検の手引」にも手続きの記載はありますが、情報量が多く、どこから手をつければ良いか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。

ご安心ください。この記事では、1級建築施工管理技士の合格後に必要な手続きの全ステップを、公式情報である「受検の手引」や公式情報を基に、誰にでも分かりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 合格後にまず確認すべきこと(合格通知書など)
  • 免許申請・登録の具体的な全手順と必要書類
  • 技術検定合格証明書がいつ届くかの目安
  • 資格を活かしたキャリアパスと年収アップの可能性
  • 有利な転職活動の進め方とエージェント活用のメリット

合格証明書の申請から合格証明書の受け取り、さらにはその価値ある資格をあなたのキャリアに最大限活かす方法まで、あなたが次に取るべき行動が明確になるよう、必要な情報を分かりやすく整理しました。

この記事を読めば、複雑に思える手続きも迷うことなくスムーズに進められ、自信を持って新たなキャリアの扉を開くことができるでしょう。

1級建築施工管理技士の合格通知について

まずは合格、本当におめでとうございます。努力が報われた瞬間ですね。

喜びを噛み締めつつ、次へのステップに向けて最初に確認すべきことを押さえておきましょう。

合格発表の確認方法と合格基準

多くの方はすでに確認済みかと思いますが、正式な合格発表は一般財団法人建設業振興基金 試験研修本部のWebサイトで行われます。

合格発表日の午前9時から2週間、合格者の受検番号が掲載されますので、ご自身の番号があるかしっかり確認しましょう。

2025年度(令和7年度)の1級建築施工管理技士の合格発表日は、第一次検定が2025年8月22日(金)、第二次検定が2026年1月9日(金)です。

念のため、合格基準も再確認しておくと良いでしょう。令和7年度の合格基準は以下の通りですが、試験の実施状況により変更される可能性もあります。

■1級建築施工管理技士の合格基準

  • 第一次検定
    全体の得点が60%以上、かつ施工管理法(応用能力)の得点が60%以上
  • 第二次検定
    得点が60%以上

合格発表の詳細な日程や確認方法については、「1級建築施工管理技士の合格発表日と確認方法」をご参照ください。

合格通知書はいつ届く?内容と重要性

合格発表後、建設業振興基金から合格者本人宛に合否の通知書が郵送されます。(欠席者へは通知されません)

例年、合格発表日から1週間以内で届くことが多いようですが、地域によっては多少前後することもあります。

この合格通知書には、あなたの氏名や合格した試験区分、そして合格番号が記載されています。この合格番号は、後の免許申請手続きで必要になる非常に重要な情報です。大切に保管しましょう。

特に第二次検定に合格された方には、国土交通大臣への免許申請に関する案内も同封されているはずです。内容をよく確認してください。

合格通知書が届かない・紛失した場合の対処法

万が一、合格発表日から1週間以上経っても合格通知書が届かない場合や、紛失してしまった場合は、速やかに一般財団法人建設業振興基金 試験研修本部に電話で問い合わせましょう。

※2025年度(令和7年度)1級建築施工管理技士においては、「一次検定:2025年8月29日(金)」「二次検定は2025年1月16日(金)」までに届いていなければ未着として問い合わせ要

未着時の合格通知の再発行対応可能な期間は合格発表日から1ヶ月間ですので、ご注意ください。

■合格通知の再発行対応可能期間(目安)

  • 一次検定
    2025年9月21日(日)
  • 二次検定
    2026年2月8日(土)

問い合わせ先は以下の通りです。

■問い合わせ先

  • 一般財団法人 建設業振興基金 試験研修本部
  • TEL 03-5473-1581
  • (お問い合わせ応答時間 平日9:00~12:00、13:00~17:30)

問い合わせの際には、本人確認が必要になる場合があります。

1級建築施工管理技士合格後の流れ・免許申請・登録の全手順

第二次検定に合格し、晴れて1級建築施工管理技士となるためには、国土交通大臣への免許申請を行い、技術検定合格証明書の交付を受ける必要があります。

1級建築施工管理技士の第二次検定に合格した場合は、以下の手順で合格証明書の申請を行いましょう。

ステップ1 必要書類を準備しよう【チェックリスト付き】

まず、免許申請に必要な書類を揃えましょう。不備があると手続きが遅れる原因になりますので、漏れなく準備することが重要です。

必要書類は申請者の状況によって異なる場合がありますが、一般的には以下のものが求められます。詳細は必ず申請先の地方整備局にご確認ください。

■【1級建築施工管理技士 免許申請 必要書類チェックリスト】

必要書類 備考・入手先など チェック
合格証明書交付申請書 合格通知書から切り取り(ハガキ)
収入印紙 2,200円分
戸籍謄本又は戸籍抄本の原本 1部 交付申請書の氏名・本籍・生年月日に修正・変更がある場合のみ

提出日時点で市区町村による発行から6ヶ月以内の原本

身分証明書(運転免許証・住民票の写し・マイナンバーカード・在留カードなど) 住所を変更する場合のみ

合格発表から1年以内に申請する場合には不要です

【注意点】

  • 収入印紙は郵便局や法務局で購入できます。
  • 令和6年度以降の新受検資格で合格した方は、原則として実務経験証明書の再提出は不要ですが、詳細は申請先の案内に従ってください。
  • 旧受検資格で合格した方は、申請時に確認が必要です。実務経験証明書が必要かどうかは、「1級建築施工管理技士の最新受験資格」で最新の受験資格要件をご確認ください。

ステップ2 申請書の記入方法と注意点

申請書は、合格通知書に同封されているものを使用します。記入漏れや間違いがないよう、丁寧に進めましょう。

■申請書の記載内容・チェックポイント

  • 提出日を記載
  • 日中連絡が取れる電話番号を記載
  • 記載事項(氏名・本籍・住所・生年月日)を確認

氏名・本籍・生年月日に変更・修正がある場合は二重線を引いて朱書きで訂正し、戸籍謄本または戸籍抄本の原本1部を同封するようにしましょう。

合格証明書送付先の住所に変更がある場合は、二重線を引いて朱書きで郵便番号・都道府県名から訂正後の住所を記載するようにしましょう。合格発表から1年以内に申請する場合には、身分証明書の提出は不要です。

ステップ3 申請先はどこ?地方整備局への提出方法

申請締切日までに申請できる場合は、合格通知書に記載の郵送先に提出するようにしましょう。なお、申請締切日は合格通知書に記載してあります。

申請締切日以降の提出先は、あなたの住所地を管轄する地方整備局です。

管轄の地方整備局は、地方整備局一覧で確認できます。各地方整備局のWebサイトには、担当窓口の部署名や住所、申請方法(郵送または持参)の詳細が記載されています。

郵送で提出する場合は、簡易書留など記録が残る方法で送付しましょう。

ステップ4 登録免許税・手数料の支払い方法

1級建築施工管理技士の免許申請には、登録免許税として2,200円が必要です。これは収入印紙で納付します。

収入印紙は、郵便局の窓口や法務局で購入できます。2,200円分の収入印紙を購入し、申請書の所定欄に貼り付けて提出します。

申請手数料自体はかかりませんが、その他に住民票の発行手数料(必要な場合)、郵送費などが必要になります。

申請から交付までの期間はどれくらい?

申請書類を提出してから、技術検定合格証明書が手元に届くまでには、一般的に1ヶ月程度かかります。

基本的には、申請締切日から1ヶ月後に発送されます。

ただし、これはあくまで目安であり、申請時期(合格発表直後は混雑する傾向)や申請先の地方整備局(例 関東地方整備局)の処理状況によって変動します。特に書類に不備があった場合は、さらに時間がかかる可能性があります。

余裕を持ったスケジュールで申請手続きを進めることが大切です。

技術検定合格証明書のデザインと携帯義務

現在の1級建築施工管理技士の技術検定合格証明書は、B5サイズの紙製で発行されます。(カードタイプはありません)

なお、こちらは技術検定合格証明書であるため、携帯義務はありません。

1級建築施工管理技士の合格証明書サンプル

出典:北海道開発局:技術検定合格証明建築・電気工事・管工事)

資格を活かす!合格後のキャリアパスと年収アップの可能性

晴れて1級建築施工管理技士となったあなたには、多くのキャリアの可能性が広がっています。

この価値ある資格を最大限に活かすための道筋と、期待できる年収について見ていきましょう。

監理技術者・主任技術者への道が開ける

1級建築施工管理技士の資格を取得する最大のメリットの一つは、監理技術者や主任技術者として働くことができることです

■主任技術者・監理技術者について

  • 主任技術者
    すべての建設工事現場に配置が義務付けられています。
  • 監理技術者
    特定建設業者が元請として総額4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上の下請契約を結ぶ大規模工事において配置が義務付けられています。

特に監理技術者は、1級国家資格保有者等でなければ就くことができない重要なポジションです。大規模プロジェクトを指揮する責任とやりがいのある仕事であり、キャリアアップの大きな目標となります。

なお、監理技術者として業務を行うためには、資格取得後に別途「監理技術者講習」を受講し、「監理技術者資格者証」の交付を受ける必要がありますので注意しましょう。

昇進・昇給は期待できる?社内での評価と資格手当

多くの建設会社では、1級建築施工管理技士の資格取得を高く評価しています。資格取得が昇進(現場代理人、工事課長、部長など)の条件となっている企業も少なくありません。

また、資格手当が支給されるケースも一般的です。金額は企業によって異なりますが、月額1万円~数万円程度が相場と言われています。基本給のアップや賞与査定で有利になることも期待できるでしょう。

合格したら、まずは上司や人事部に報告し、自身の頑張りをアピールするとともに、今後のキャリアや処遇について相談してみることをおすすめします。

1級建築施工管理技士の年収相場は?

資格取得は年収アップにも直結する可能性が高いです。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」などを参考にすると、経験や役職、企業規模によって幅はありますが、1級建築施工管理技士の資格を持つ技術者の平均年収は600万円~700万円程度が一つの目安とされています。

もちろん、これはあくまで平均値であり、ゼネコンなどの大手企業や、より責任あるポジションに就けば、年収1000万円を超えることも十分に可能です。

資格取得は、あなたの市場価値を高め、より高い収入を得るための重要なステップとなるでしょう。

転職も視野に?合格を武器に有利な転職活動を進める方法

1級建築施工管理技士の資格は、転職市場においても非常に強力な武器となります。

もし現在の職場環境や待遇に満足していない、あるいは更なるキャリアアップを目指したいと考えているなら、資格取得を機に転職を検討するのも有効な選択肢です。

転職市場における1級建築施工管理技士の価値と需要

建設業界は慢性的な人手不足、特に経験豊富な技術者や監理技術者の不足が深刻な課題となっています。国土交通省の建設労働需給調査でも、建設技能労働者の需給は逼迫している状況が示されています。

このような背景から、1級建築施工管理技士の資格保有者は、転職市場において極めて高い需要があります。企業は、即戦力となる有資格者を積極的に採用したいと考えており、特に監理技術者としての経験があれば、引く手あまたと言っても過言ではありません。

ゼネコン、サブコン、ハウスメーカー、デベロッパー、設計事務所、さらには官公庁や発注者支援業務など、活躍の場は多岐にわたります。あなたの経験や希望に合わせて、有利な条件で転職できる可能性が高い状況です。

効果的な求人の探し方と応募書類・面接でのアピール術

資格を最大限に活かすためには、効果的な転職活動が重要です。

■転職活動のポイント

  • 求人の探し方
    建設業界に特化した転職サイトや、後述する転職エージェントを活用するのが効率的です。企業のWebサイトの採用情報を直接確認するのも良いでしょう。求人票では、業務内容、給与、休日、福利厚生、企業文化などをしっかりチェックしましょう。
  • 応募書類
    履歴書や職務経歴書には、1級建築施工管理技士の資格を取得したことを明確に記載します。資格取得年月日も忘れずに記入しましょう。自己PR欄では、資格取得に至るまでの努力や、資格を今後どのように活かしていきたいかを具体的にアピールします。
  • 面接
    面接では、資格取得の動機や努力のプロセス、そして入社後に資格を活かしてどのように貢献したいかを熱意を持って伝えましょう。監理技術者としての経験や意欲をアピールすることも有効です。

応募書類の自己PRや志望動機の書き方は、「施工管理の志望動機の書き方と例文」も参考にしてください。

よくある質問 (FAQ)

ここでは、1級建築施工管理技士の合格後に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

一級建築施工管理技士の登録(免許申請)の流れは?

合格通知書受領後、必要書類(申請書、住民票、写真、収入印紙など)を準備し、住所地を管轄する地方整備局に提出します。

詳細は本文の「【完全ガイド】1級建築施工管理技士 免許申請・登録の全手順」をご確認ください。

施工管理技士の合格通知書が届かないのですが?

合格発表日から1週間以上経っても届かない場合は、速やかに一般財団法人建設業振興基金 試験研修本部(TEL 03-5473-1581)に問い合わせてください。

詳細は本文の「合格通知書が届かない・紛失した場合の対処法」をご確認ください。

1級建築施工管理技士の技術検定合格証明書はいつ届きますか?

免許申請後、一般的に1ヶ月~2ヶ月程度で簡易書留で郵送されます。

ただし、申請時期や状況により変動します。詳細は本文の「技術検定合格証明書の交付時期の目安」をご確認ください。

技術検定合格証明書はカードですか?

いいえ。現在合格証明書はB5サイズの紙製で発行されます。(カードタイプはありません)
詳細は本文の「技術検定合格証明書のデザインと携帯義務」をご確認ください。

登録料はいくらですか?

免許申請時に登録免許税として2,200円分の収入印紙が必要です。詳細は本文の「ステップ4 登録免許税・手数料の支払い方法」をご確認ください。

資格に有効期限はありますか?更新は必要?

2024年4月現在、1級建築施工管理技士の資格自体に有効期限はなく、更新手続きも不要です。

ただし、監理技術者として業務を行う場合は、監理技術者資格者証(有効期間5年)と監理技術者講習(有効期間5年)の更新が必要になります。

2級合格後の流れと違いはありますか?

2級建築施工管理技士の場合も合格後に合格証明書の交付申請が必要な点は同じですが、1級のように国土交通大臣の「免許」ではなく、試験実施機関(建設業振興基金)からの「合格証明書」となります。

また、監理技術者にはなれません(主任技術者にはなれます)。キャリアパスや転職市場での価値も異なります。

まとめ|合格後の流れを把握し、次のステップへ!

この記事では、1級建築施工管理技士試験に合格した後の流れについて、手続きからキャリア戦略まで詳しく解説しました。

この記事のまとめ
  • 合格後は速やかに免許申請
    合格通知書を受け取ったら、必要書類を準備し、管轄の地方整備局へ免許申請を行いましょう。
  • 技術検定合格証明書は1~2ヶ月で到着
    申請後、合格証明書が届くまでには1~2ヶ月程度かかります。
  • 資格は大きな武器
    1級建築施工管理技士の資格は、監理技術者への道を開き、昇進・昇給、そして有利な転職に繋がる強力な武器です。
  • キャリア戦略が重要
    資格をどう活かすか、自身のキャリアプランを考え、必要であれば転職エージェントなどの専門家のサポートを活用しましょう。

難関を突破して手にした1級建築施工管理技士の資格。これはゴールではなく、あなたの輝かしいキャリアの新たなスタートラインです。手続きを確実にこなし、資格を最大限に活かして、ぜひ次のステップへと進んでください。

手続きに関する最新かつ正確な情報は、必ず国土交通省各地方整備局一般財団法人建設業振興基金の公式Webサイトをご確認ください。