建設キャリアアップシステム(CCUS)、現場で活用する方法は?

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こんにちは、建設業に特化した転職エージェントの「施工管理求人.com」です。


ここ2年ほどで、建設キャリアアップシステム(CCUS)が導入されている工事現場が増えました。
元請業者から建設キャリアアップシステムに登録するように言われ、既に登録したという方・事業者も多いのではないでしょうか。


ところでIDとカードを受け取ったあと、そのままになっていませんか。せっかくお金を払って登録したなら、うまく活用したいですよね。


この記事では、「登録したけど活用方法が分からない……」という方のために、現場の人が建設キャリアアップシステムを活かす方法をご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。


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建設キャリアアップシステム(CCUS)の概要

建設キャリアアップシステム(CCUS)は、建設業で働く技能者の就業実績や資格を、登録して管理するシステムです。「適切な能力評価の仕組み」づくりによる建設業の魅力向上を目的として、国土交通省推進のもと2019年に運用が始まりました。


最近では公共発注の工事において、建設キャリアアップシステム活用による加点制度が導入されたり、将来的に原則化の動きがあったりと、より普及に向けた動きが強くなっています


導入のメリットや利用の流れ、詳しい登録申請方法などは、こちらの記事をご確認ください。


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建設キャリアアップシステム活用のために必要なこと

建設キャリアアップシステムは、登録が完了したらそれで終わりではありません。活用するためには以下の手順が済んでいることが前提となりますので、確認しておきましょう。


●IDとカードは届いていますか?

建設キャリアアップシステムの登録申請・決済をしたあと、技能者には技能者IDと建設キャリアアップカード(ICカード)が、事業者には事業者IDと管理者IDが届きます


もし決済をしたのに手元に届いていない場合は、建設キャリアアップシステムの「FAQ(よくあるご質問)」を確認するか、「建設キャリアアップシステムお問い合わせフォーム」からお問い合わせください。技能者と事業者の詳しい登録申請フローは以下の記事でご紹介しています。


●技能者IDと事業者IDの関連付けは出来ていますか?

システムを利用するには、技能者IDとその所属企業の事業者IDを関連付ける必要があります。

技能者登録申請の際すでに事業者IDを入力している場合は問題なく、技能者登録時に事業者IDを把握していなかった場合が対象となります。


関連付け作業は技能者と事業者どちらでもできますが、事業者側が行う場合は認証の工程が必要なため、技能者に行ってもらうのがスムーズです。

関連付けの方法は、建設キャリアアップシステムのFAQページをご確認ください(Q No874 技能者と所属事業者の関連付けはどのようにすればよいか?)。


●情報は定期的に更新していますか?

建設キャリアアップシステムは建設業界の「インフラ」であるため、登録している情報は常に最新の情報にしておく必要があります


更新が必要なのは、新たな資格を取得したときや事業所を移転したときばかりではありません。技能者は経験年数や健康診断日、事業者も売上高や主要取引先情報など、毎年新しくしていく必要があります。


●技能者の能力評価制度を利用する場合、「詳細型登録」できていますか?

技能者が能力評価制度(レベル判定)の利用申請をするには、登録申請の段階で「詳細型登録」をしていることが前提です。


「簡略型登録」をしている方が能力評価制度を利用する場合は、建設キャリアアップシステムの技能者のポータルサイトで、登録方法を簡略型から詳細型へ移行する必要があります(登録料2,400円)。

移行方法の詳細は、建設キャリアアップシステム「登録(申請)方法の詳細」をご確認ください。


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技能者の建設キャリアアップシステム活用方法

建設キャリアアップシステムを技能者がさらに活用する方法をご紹介します。


自分の目標設定に活かす

技能者は多くの場合、たくさんの現場を渡り歩きながら経験を積んでいきます。技能者に対する評価は現場・会社によって異なるうえ、毎回顔ぶれが変わることもあり、将来のキャリアプランが描けていない人も少なくないでしょう。


そこで、建設キャリアアップシステムの能力評価基準を、自分の技能者としての具体的な目標設定に活用しましょう

技能者の能力評価制度では、対象となる35の技能分野すべてにおいて、求める経験(就業日数)、知識・技能(保有資格・講習受講履歴・表彰)、マネジメント能力(職長や班長としての就業日数・登録基幹技能者講習など)の、明確な基準が公開されています【CCUSポータル】能力評価制度について)。


これを参考に、自分に必要な経験や技能およびその時期を具体的に把握して、技能者としてのキャリアアップに活かしましょう。

例:将来的に分野のエキスパートになって、スカイツリーのような大きな工事に携わりたい!

 →40代ではレベル3になりたいな

 →3年後までにレベル2はクリアしよう

 →○○と○○の資格を取りたいから、今年は○○の勉強に力を入れよう


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転職・独立に活かす

建設キャリアアップシステムによって、建設業界に共通の評価基準およびデータベースができました。そのため、これまで裏付けが難しかった技能者の経験や技能を、簡単に証明できるようになりました。


このメリットは、技能者が転職や独立をする際、技能・経験の証明に活かすことができます。


また技能者が転職先を選ぶとき、建設キャリアアップシステムの取り組み状況や施工能力見える化評価を参考にする、という活用方法もあります(【CCUSポータル】施工能力の見える化)。


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下請業者の建設キャリアアップシステム活用方法

建設キャリアアップシステムを下請業者がさらに活用する方法をご紹介します。


受注に活かす

専門工事業者の施工能力見える化評価制度」をご存じですか?

これは専門工事業者の「基礎情報」「施工能力」「コンプライアンス」について、それぞれ☆~☆☆☆☆の4段階評価を受けられる制度で、建設キャリアアップシステムに登録している事業者であれば申し込むことができます。


この制度で「☆☆☆」や「☆☆☆☆」を得られれば、人材育成への積極性・高い施工能力・コンプライアンスの取り組みについて、国土交通省と専門工事団体からお墨付きを得たことになります


評価の結果は国土交通省と専門工事団体のホームページでも公開されるため、これを元請業者など社外に向けて積極的にPRすることで、受注機会の拡大に活かすことができます。

また一部ゼネコンでは、今後協力会社に「見える化評価」申請を義務付ける動きも出ているようですよ。


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働き方改善に活かす

建設キャリアアップシステムの現場入出場履歴(建レコ)は、情報の根拠が明確なうえデータ化されているので、出面管理および賃金・代金支払いなどの労務管理業務を効率化できます。


またシステムに登録された事業者・技能者情報は、施工体制台帳や作業員名簿などの書類作成に簡単に利用できるため、かかる工数やミスを減らせます


2024年度から建設業において労働時間の上限規制が適用になることも踏まえ、システムの利用で浮いた時間を残業の削減や休日数の確保にあてて、働き方の改善に活かしましょう

参考:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説


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会社の技術力向上に活かす

技能者の能力評価制度を社内評価に取り入れることで、社員に明確な評価基準を示すことができ、評価する側も感覚や自己申告に頼らない客観的な評価ができるようになります。これは社員の士気向上、そして優秀な技術者の流出防止につながります。


また、建設キャリアアップシステムは採用活動にも活かすことができます。システムに登録している技能者にはその情報を示してもらうことで、求める条件に合った人材を採用できる可能性が高まります


さらに人材募集においても、建設キャリアアップシステムの積極的な活用や、「見える化評価」の結果を示すことで、やる気のある求職者に強くPRすることができます。


建設キャリアアップシステムを人材の育成・確保に活用して、会社のさらなる技術力向上につなげましょう。


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大手企業の先進的な活用事例

ここでは大手企業の先進的な活用の例(予定も含む)をご紹介します。


この先、以下の事例のような取組みが広がっていけば、働きやすさにつながり建設業全体のイメージにもいい影響があると考えられます。


~大手企業の活用事例~

★社内の優良職長制度・優良技能者制度の認定基準のひとつとして、建設キャリアアップシステムを活用


★技能者の能力評価を活用して、レベルに応じた手当を支給


★協力会社と連携して、就業履歴情報を休日管理や時間外労働の管理に活用


★ICカードタッチと現場独自の取組み(清掃活動や安全・生産性向上に貢献など)でポイントがたまり、コンビニなどで使える仕組みを試行

参考:一般財団法人 日本建設業連合会 建設キャリアアップシステム推進本部「建設キャリアアップシステム推進本部 15社における優良取組み事例集 第2版」、国土交通省「建設キャリアアップシステムの概要


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まとめ

今回は建設キャリアアップシステム(CCUS)を現場で活用する方法についてご紹介しました。


建設業の新たな仕組みとしてつくられた建設キャリアアップシステムは、今後さらに普及し、欠かせないツールになっていくと考えられます。導入するだけではなくその活かし方を幅広く考えることで、現場はもっとよくしていけるはずです。


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