プラントとは|建設業界の中でもスケールが大きく、刺激的な仕事!

目次

こんにちは、建設業に特化した求人サイト「施工管理求人.com」です。


建設業に関する情報やニュースなどを見ていると、ときどき「プラント」という言葉が出てきます。


建設業では一般的に使われている言葉ですが、建設業以外の人にはあまり馴染みがない場合が多いと思います。

また建設業で働いていても、普段業務で関わらない場合、「イメージがわかない」という人も少なくないのではないでしょうか。


今回はそんな「プラント」について、概要や仕事内容、さらに業界の特徴などを簡単に解説していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。


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プラントとは?

プラントという言葉には、大きく分けて「植物」という意味と、「生産設備」という意味があります。建設業でいうプラントは、後者の「生産設備」の意味で使われます。


また、プラントと似た意味の言葉で「工場」があります。
プラントと工場は同じ意味で使われることもありますが、プラントは工場の中でも特に、複数の設備をもってエネルギーを生みだしたり物質を製造したりする工場のことを言います。


分かりやすく言うと、ラインで部品を組み立てていく自動車工場は「工場」、複数の設備が配管でつながりセメントを製造する工場は「プラント」です。

巨大なタンクや配管が照明に照らされた工場夜景と呼ばれる風景を作り出すのも、主にプラントです。


建設業では、生産設備となる各機械や配管、その架台や建物など、これら一式の工事に関わる分野を「プラント業界」と呼びます。なお、ここにはプラントを使用する側は含まれません。


プラントの例:四日市コンビナート

プラントの工場夜景


プラントの種類

プラントの種類には決まった分け方がなく、プラント業界の企業もそれぞれ少しずつ違う分け方をしています。
当サイトでは、「エネルギー系」「化学系」「産業系」「環境系」の4種類に分けてご紹介します。


●エネルギー系

化石燃料・原子力・太陽光・水力・地熱などを原料に、電力を作り出すプラントです。この分野では近年、新エネルギーや再生可能エネルギーの活用が推進されています。


●化学系

原料を化学反応させることで、産業系プラントなどで原料や添加剤として使用される化学製品をつくり出します。化学系プラントは有機化学プラントと、無機化学プラントに分けられます。


有機化学プラントで代表的なのは、石油化学プラントです。石油・天然ガスなどの炭化水素を原料として、プラスチックやゴム製品の原料となる物質などを精製します。
(製品例:石油、天然ガス、プラスチックの原料、ゴムの原料 など)


無機化学プラントで代表的なのは、塩水を電気分解するソーダ工業プラントや、水素と窒素を合成するアンモニア工業プラントなどです。
(製品例:水素、塩素、カセイソーダ(強アルカリ水)、肥料、合成繊維の原料 など)


●産業系

複数の原料を合成・加工することで、工業の材料となる素材から、私たちが日常的に使う製品まで、様々なものを製造するプラントです。
(製品例:セメント、金属、プラスチック、ゴム、医薬品、食品 など)


●環境系

水処理や廃棄物の処理などを、適切に行うためのプラントです。近年は環境意識の高まりで、回収した熱をエネルギーとして利用したり、副産物を資源として再利用したりする機能をもつものが増えています。


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プラント業界の仕事内容は?

プラント業界の仕事は、顧客との契約締結後、以下の流れで進んでいきます。

設計→調達→建設・試運転→メンテナンス

設計(Engineering)、調達(Procurement)、建設(Construction)は、それぞれの頭文字を取ってEPC事業とも呼ばれます。


●設計

プラントの設計は、基本設計詳細設計に分けられます。


基本設計は、プラントの大枠を決める作業です。そのプラントに必要な設備や、プラント稼働時の作業効率などを考え、設備や通路の配置を計画します。

詳細設計は、工事を行うための設計作業です。基本設計をもとにして、設備配置のための建築設計や、各設備の詳細な設計などを、関連する各分野の技術者が連携しながら行います。


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●調達

プラントの工事に必要な機器や材料を買い付ける仕事です。特注品の依頼や海外との取引も頻繁にあるため、メーカーとの価格交渉だけでなく、納期や品質の管理も重要です。


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●建設・試運転

設計に基づき、工事を行います。建物、配管、機械、電気、地盤など、多種多様な工事を並行して進めていくため、多くの技術者が出入りします。工程管理や安全管理が非常に重要となります。


建設工事が終わったら試運転をします。性能や安全性が確認できたら、顧客に引き渡します。


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●メンテナンス

プラントが完成した後も、日常的なメンテナンスや定期的な大規模修繕工事を継続しておこないます。


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プラントに関わる会社にはどんなものがある?

プラントエンジニアリング、総合重機メーカー

プラントの設計から建設にいたるEPC事業、そして運営・維持管理までを、一気通貫で行う会社です。


プラント事業を専門で行う会社は、プラントエンジニアリングと呼ばれます。
総合重機メーカーなど、ほかの事業もやりつつプラント事業も行う会社もあります。この場合、プラント事業を専門で行う子会社がある場合が多いです。


サブコン

プラントの工事は、工種が多岐にわたります。そのため、設計や施工を一式ではなく分野で分けて、それぞれ別のサブコンが部分的に担当することが多いです。

サブコンはその分野の管理を担当し、実際の工事は工事業者に依頼することも多くあります。


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工事会社

プラントエンジニアリングや総合重機メーカー、サブコンなどから依頼を受けて、実際の工事を行います。配管工事や電気工事など、それぞれの業者に得意とする専門工事分野があります。


プラントメンテナンス会社

プラントが顧客に引き渡されたあと、運営補助や維持管理を専門に行う会社です。
プラントエンジニアリングやサブコンもメンテナンス事業を行うことがあります。


その他(プラント機器メーカーや商社など)

プラント機器メーカーは、タービンやボイラなど、プラントに必要な機器を設計・製造している会社です。海外メーカーの製品販売を専門に行っている会社もあります。


商社も欠かせない存在です。プラント建設を企画したり、建設資金やプラント機器の調達を行うこともあります。


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プラント業界の特徴は?

プラント業界には、以下の4つの特徴があります。


スケールの大きい仕事ができる

プラント業界の仕事は全てがBtoBで、一つ一つのプロジェクトが何億円という大きな規模になります。企画から完成まで数年かかり、その中でたくさんの人が関わります。


プラント建設自体も大きな仕事ですが、完成後のプラントで生産されるエネルギーや製品なども考慮すると、一国の産業に大きく貢献できる仕事だと言えます。


多業種が関わる刺激的な環境で働ける

プラントの建設工事では、様々な工種の専門家が必要です。工事の規模も大きいため、他の現場では類を見ないほどに、異なる業者の技術者が大勢集まります。


小さな現場にも良さがありますが、成長の速度を求めるならプラント業界はおすすめです。現場ごとに多くの技術者に囲まれ、刺激的な環境で働けます


出張が多い傾向がある

プラント業界の中でも工事に関わる仕事は、とくに出張が多いという特徴があります。全国各地の現場におもむき、数か月はウィークリーマンションやホテル暮らし、ということが頻繁に起こります。


自分の家でないと寝られない人にはデメリットですが、いろんな場所で働いてみたい人や食べ歩きが好きな人などには向いていると言えます。


海外で活躍するチャンスもある

いま国内では、新設よりメンテナンス需要が大きくなっていますが、海外ではプラント建設の潜在需要が大きいと言われています。大手や、大手と取引があるような企業では、海外出張のチャンスも大いにあります。


国内のプラント建設でも必要な資材を世界中から調達するため、プラントエンジニアリングやプラント機器メーカーでは海外企業との取引も多くあります


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まとめ

今回は、プラントおよびプラント業界についての概要をご紹介しました。
プラント業界は、建設業に関係する仕事の中でもスケールが大きい分野で、刺激的な環境に身を置いて働けます。


また今後は、脱炭素社会の実現に向けて、新エネルギーや再生可能エネルギー分野でのプラント開発の盛り上がりが期待されます。


プラントの仕事が気になった方は、建設業に特化した求人サイト「施工管理求人.com」で求人を探してみてくださいね!


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