2級建築施工管理技士の実地試験、難易度と本番までの対策方法

目次

こんにちは、建設業に特化した求人サイト「施工管理求人.com」です。


2級建築施工管理技士の試験を受験される方!
「実地試験ってどうやって対策すればいいんだろう」「いつから勉強始めればいいのかな」と悩んでいませんか? 2級建築施工管理技士実地試験は年に1回しか無いので、早い時期から勉強スケジュールを立てておきたいと考える方も多いはず。


そこでこの記事では、2級建築施工管理技士実地試験の難易度やこれまでの合格率の推移、対策・勉強方法などを お伝えしていきたいと思います。今年またはこれから、2級建築施工管理技士の資格を取りたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。


「施工管理」の求人はこちら


H30年度 実地試験の合格率は25.2%、例年よりは難易度がちょっと高め

2級建築施工管理技士の実地試験は、年に1回(11月上旬)に行われています。毎年約20,000人~25,000人が受験しており、20代~50、60代の幅広い世代が資格取得にチャレンジしています。2級建築施工管理技士の学科試験については合格率が毎年4~5割ほどで、受験者の約半数が合格しており、 前もってしっかり勉強すれば合格を狙える試験だと言えるでしょう。


一方で、実地試験はどうでしょうか?下記のグラフをご覧ください。


このグラフはH24年~H30年までの実地試験の合格率の推移を表したグラフです。 過去7年間の平均の合格率は31.9%ですが、直近2年間の合格率は30%を切っています。 H30年度の試験においては合格率が25.2%となっており、例年よりも難しい試験だったようです。


実地試験の解答方式は、全問記述式で解答しなければなりません。 四肢択一のマークシート方式で解答する学科試験と、比較すると難易度は高くなると予想できますが、 H30年度の実地試験の場合は具体的にどのようなところが難しかったのでしょうか?



「むずかしい」と感じる人が多かった、H30年度の試験問題

実地試験の問題数は全部で5問。出題範囲は下記のようになっています。


【問題1】施工経験記述
※今まで実際に携わってきた建築工事の施工経験について問われる問題


【問題2】用語の説明と施工上留意すべき点内容を記述
※建築工事に関する用語を5つ選択して解答する


【問題3】工程表に関する問題
※過去にはネットワーク工程表やバーチャート工程表などに関する問題が出題


◎ネットワーク工程表:各工事に対して、前後の工事との関連付けをすることで、全体の工事の流れを明確にし、 さらに最短期間となる完成までの道筋を示してくれる工程表のこと
◎ バーチャート工程表:作業項目をたて軸に、時間をよこ軸に設け、各作業の開始~終了までを棒状で表現する工程表のこと


【問題4】法規に関する問題
※建設業法や業務上の決まりなどについて出題


【問題5】専門分野に関する問題
※「A(建築)」「B(躯体)」「C(仕上げ)」と受験区分ごと問題を選択して解答する。



問題1の施工経験記述には、図のように問題にテーマが設定されています。


H30年度の施工経験記述のテーマは、この図と同じように「品質管理」に関する問題でした。 ここ最近で出題されているテーマは、

H26年度 : 工程管理
H27年度 : 品質管理
H28年度 : 施工管理
H29年度 : 工程管理
H30年度 : 品質管理 となっています。


品質管理に関する問題は過去にも出題されたことがありますが、H30年度の場合は、過去の出題傾向とは異なった問題が出題された ため難しいと感じる方が多かったようです。


実際に受験された方の中には、「過去問よりも難しかった・・・」「来年も受ける事になるだろうな」とおっしゃる方もいました。過去に出題されたテーマを見ると、 工程管理⇒品質管理⇒施工管理⇒工程管理⇒というローテーションで周っているように思えます。


とすると、『H31年度の施工経験記述は施工管理がテーマ?』と予想できそうですが、まだ断定はできません。 H31年度のように出題されるパターンが今までと異なる場合もあるので、 どのテーマがきても対応できるようにまんべんなく勉強しておくことが大事だと言えるでしょう。



実地試験の対策・勉強方法はどうすればいい?

ここまでは、2級建築施工管理技士実地試験の難易度や合格率についてお話してきましたが、ここからは、 実際の試験対策で、どのように勉強を進めていけばよいかを具体的にお伝えしていこうと思います



出題範囲の広い実地試験。初受験の方なら勉強期間はなるべく多めに!

2級建築施工管理技士の試験は、
学科試験が年2回(6月・11月)、実地試験が年1回(11月)に行われています。


▼H31年度の試験スケジュール(申込期間・試験日)は下記の通りです。

【申込受付期間】 ※書面申し込みの期間のみ記載
(前期:学科試験のみ)
平成31年2月1日(金)~2月15日(金)/試験日:平成31年6月9日(日)

(後期:学科試験のみ、学科・実地試験、実地試験のみ)
平成31年7月5日(金)~7月19日(金)/試験日:平成31年11月10日(日)

※試験スケジュールについては、 一般財団法人建設業復振基金 施工管理技術検定HP で必ず最新情報を確認してください。



11月の試験では、学科試験・実地試験が同日に行われるスケジュールとなっています。7月の試験申し込み開始から11月の試験本番までは 約4ヶ月間しかありません。試験を受験しようと思っている方の多くは、働きながら空いた時間で勉強をすることになると思うので、 「受験する!」と決断したら、前もってたっぷりと勉強時間を確保しておくことが必要となります。


2級建築施工管理技士の実地試験は出題範囲が広いため対策するのが大変ということをよくお聞きします。 実地試験は学科試験と異なり、全問記述式で解答するため『問題の理解力+文章力』も必要です。 出題範囲が広い試験を攻略していくには、毎日ちょっとずつ知識を頭に入れていった方が暗記しやすいと思うので、 なるべく長期間の勉強期間を設けたほうがいいでしょう。


試験の申し込みから試験本番までの約4ヶ月間で、学科・実地を両方勉強するとなると、初心者の方にとっては少し大変かもしれないので、 実地試験だけで、少なくとも3ヶ月間は勉強期間を設けておいたほうが安心かもしれません!



実地試験の対策は、講習会に行くべき?それとも独学?


実地試験の試験対策で、講習会に行ったほうが良いのか、独学で勉強するか迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?実際に試験を受験された方からは、「講習会に行ったほうがモチベーション上がる」「独学でもなんとかなる」と、双方の意見を伺えましたが、「確実に合格を狙いたい!」「一発で合格したい!」といった気持ちをお持ちの方は、ぜひ積極的に講習会へ行くことをオススメします。


講習会に行くことのメリット
●プロの講師の指導の下、知識やノウハウを学ぶことが出来る
●分からない所があれば、講師に直接相談・質問が出来る
●講習会には試験を受ける仲間がたくさんいるので、ひとりじゃない安心感がある など


試対策の講習会は色々な機関・場所で開催されており、2~3日間の講習期間で数千円~数万円程度で指導を受けられるところが多いです。講習会に行けば実地試験の難関ポイントである、施工経験記述の書き方を添削してもらえたり、出題傾向に沿った勉強を教えてもらえたりします


建築施工管理技士試験の専門知識が豊富な講師がすぐ近くで指導してくれるので、独学で勉強するよりも安心感が増すのではないでしょうか。 初めて試験を受けるという方こそ、ぜひ講習会へ参加してみてください!



==参考までに==
実地試験の勉強を行う際に必要になる、2級建築施工管理技士のおすすめのテキストをご紹介したいと思います。


分野別問題解説集 2級建築施工管理技士技術検定実地試験 ※GET研究所編集

過去10年分の実地試験が徹底解析されており、実際にこのテキストを使用した方からも高評価を得ています。 難しいと感じる方が多い施工経験記述に重点が置かれており、初めて学習する方にも分かりやすく説明されています。


また、他のテキストだと『過去5年分』が多いですが、このテキストは『過去10年分』の試験問題が用意されているので、 対策するには持ってこいの一冊だと言えるでしょう。



2級建築施工管理技士 実地試験の完全攻略 ※村瀬憲雄著

「建築」「躯体」「仕上げ」の受験区分ごとに取り組める記述例がすごく豊富で、施工経験記述の対策に特化したテキストです。


また、建設用語の解説や試験に出やすい問題なども多く、実地試験の内容についてイチからしっかり基礎を付けたいという方におすすめしたいと思っています。 施工経験記述に自信が無いという方はぜひチェックしてみてください!




先輩受験者から学ぶこと

最後は、これから2級建築施工管理技士実地試験を受験予定の方へ、先輩受験者からのアドバイスをお伝えしていきたいと思います。 実地試験を勉強する上でのポイントなどもあるので、気になった方は参考にしてみてください!



試験の問題は、基本的に過去問を繰り返し解いていれば大丈夫です。わたしの場合は市販の過去問集5年分を4周解きました。建設用語の意味を問われる問題は、過去問を何回もやっていれば自然に頭に入ってくると思います。出題範囲が広いので、なるべく空いた時間もムダにせず、効率よく勉強していけば大丈夫ですよ。


実地試験の問題2は出題範囲が広すぎて、どの用語が出題されるか見当が付きません。だから、過去に試験で出題された問題と、過去問の問題をとりあえず一通り暗記して、本番に臨みました。問題2に関しては、ある程度山を張って勉強することも大事だと思います。


施工経験記述はテーマを絞らず、時間をかけて「工程管理」「品質管理」「施工管理」をまんべんなく勉強した方がいいと思います。自分が実地試験に落ちたときは、「工程管理」と「施工管理」だけに絞って勉強したら「品質管理」が出題されました。施工経験記述に関しては、講習会に行って指導してもらった方が、本番でも確実に点数を稼げると思います。


実地試験の対策は結構やったつもりでしたが、当日の実地試験の問題1は結構時間が掛かりました。文章構成が難しくて、個人的には「品質管理」に関する問題が一番キツかったかもしれません。実地試験は学科試験が合格していないと採点されないので、まずは学科試験の勉強に集中しましょう。実地試験は、現場のことを分かっている人であれば、お盆休みすぎたくらいから勉強しても大丈夫だと思います。



まとめ

いかかでしたでしょうか?今回の記事では2級建築施工管理技士の実地試験についてお伝えしてきました。 実地試験は学科試験よりも難易度が上がりますが、勉強期間を十分に確保して対策すれば合格を狙える試験だと思います。 この記事で得た情報が、2級建築施工管理技士実地試験の合格を目指す方のお役に立てれば嬉しいです。


「施工管理」の求人はこちら


2級建築施工管理技士の求人一覧