RCCMとは?|試験情報や資格取得のメリット、合格率なども解説!

目次

こんにちは、建設業に特化した求人サイト・転職エージェントの「施工管理求人.com」です。


一般的な知名度はあまり高くないものの、建設業界、特に建設コンサルタントの分野では、ぜひ取得したいスタンダードな資格として浸透してきている「RCCM」の資格。


今回は、そんなRCCMの資格について解説していきます!

資格取得のメリットや試験概要、合格率、仕事内容などなど、詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。


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RCCMとはどんな資格?

RCCMは、(一社)建設コンサルタンツ協会が主催する、民間資格です。
正式名称を「シビルコンサルティングマネージャ(Registered Civil Engineering Consulting Manager)」と言い、土木(Civil Engineering)分野の資格となります。


RCCMは、建設コンサルタント業務などを管理する技術者の育成と、技術力の客観的評価を目的として、創設されました。

背景には、高度で良質な社会資本(インフラ)を整備・維持していくために、建設コンサルタント業務の「技術水準の確保」および優秀な「責任技術者の確保」が求められている状況があります。


近年は技術者不足が課題となっていることもあり、RCCM登録要件の緩和がなされ、以前より資格の間口が広がっています。


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RCCMの種類【専門技術部門】

RCCMの試験は、22種類の「専門技術部門」に分かれており、その中から自分が希望するものを一部門選択して受験します。
RCCMの専門技術部門には、以下の種類があります。


部門CD 部門 部門の内容
1 河川、砂防及び海岸・海洋 治水利水計画、ダム、河川改修、河川構造物、河川砂防その他の河川に関する事項
地すべり防止に関する事項
急傾斜地崩壊防止に関する事項
海岸保全計画、海岸砂防、海岸堤防及び護岸その他の海岸・海洋に関する事項
2 港湾及び空港 港湾計画、外郭施設、係留施設、臨海交通施設、荷さばき施設、水域、浚渫その他の港湾に関する事項
空港計画、滑走路、誘導路その他の空港に関する事項
3 電力土木 電力開発計画、ダム、水路構造物(水路、沈砂池、水槽、水圧管路、門扉等)、送変電施設、取放水施設、冷却水施設、洞道その他の電力土木に関する事項
4 道路 道路計画、道路構築、道路構造物、道路付帯設備その他の道路に関する事項
5 鉄道 鉄道計画、線路、鉄道構造物、停車場、モノレール鉄道、鋼索鉄道その他の鉄道に関する事項
6 上水道及び工業用水道 上水道計画、工業用水道計画、取水、導水、総排水、浄水、水処理、さく井その他の上水道及び工業用水道に関する事項
7 下水道 下水道計画、下水渠、江水処理、排水処理その他の下水道に関する事項
8 農業土木 かんがい排水、圃場整備、農村整備、農用地開発、干拓、農地保全その他の農業土木に関する事項
9 森林土木 治山、林道、森林環境保全その他の森林土木に関する事項
10 造園 都市及び地方計画で造園部門に関する事項
11 都市計画及び地方計画 都市構成、土地利用、都市交通施設、公園緑地、区画整理その他の都市及び地方計画に関する事項
12 地質 土木地質(線路、ダム、トンネル、基礎地盤等)、鉱山地質、防災地質、水理地質、地熱及び温泉その他の応用地質に関する事項
物理探査、科学探査、試すいその他の探査技術に関する事項
13 土質及び基礎 土質並びに土構造物及び基礎に関する事項
14 鋼構造及びコンクリート 鉄骨構造、鉄筋コンクリート構造、コンクリート構造、セメント製品その他の構造物及びコンクリートに関する事項
15 トンネル トンネル計画、換気、潜函工法、シールド工法、沈埋工法その他のトンネルに関する事項
16 施工計画、施工設備及び積算 施工計画、施工管理、施工設備、施工機械その他の施工に関する事項
施工方法、仮設計画及び工程計画に基づいた積算及び工事原価管理に関する事項
17 建設環境 建設事業における自然環境及び生活環境の保全及び創出並びに環境影響評価に関する事項
18 機械 ポンプ、圧縮機、送風機その他の流動機械に関する事項
土工機械、コンクリート機械、舗装機械、作業船、削岩機、破砕機、コールカッタ、選炭機、クレーン、コンベヤ、エレベータ、フォークリフト、索道その他の建設、鉱山、荷役及び運搬機械に関する事項
19 水産土木 漁場計画、漁港構造物、治岸漁場計画、沿岸漁場構造物その他の水産土木に関する事項
20 電気電子 道路、河川、下水道の各事業における電気電子に関する調査、企画、立案、工事の設計、管理等に関する事項
21 廃棄物 廃棄物処理計画に関する調査、企画、立案、環境影響評価もしくは助言又は廃棄物処理施設に関する工事の設計・処理その他の廃棄物に関する事項
22 建設情報 道路、河川、下水道等の各事業における情報システム・ネットワークシステムに関する調査、企画、立案、システム設計、管理などに関する事項

※参考:(一社)建設コンサルタンツ協会 RCCM資格制度事務局「シビルコンサルティングマネージャ資格制度概要


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登録更新が必要!

RCCMは、4年ごとに登録更新をしなければならない資格です。


更新には、所定のCPD単位(※)の取得と、RCCM登録更新講習(Web講習および自主学習)の受講が必要です。

※2021年4月1日から「4年間で150単位以上」、2025年4月1日から「4年間で200単位以上」が必要。(参考:(一社)建設コンサルタンツ協会 RCCM資格制度事務局「CPDガイドライン 第8版 2022年4月」)


RCCMの資格は一度取得して終わりではありません。一度登録しても、更新しないでいると失効してしまいますので、注意しましょう。


■CPD(継続教育)制度とは

CPD制度は、技術者の継続教育を促すための制度で、土木系や建築系の資格で導入が進んでいます。
資格の主催機関が認定したCPDプログラムについて、所定の単位数の取得を課すことで、技術者の自己研鑽と質の向上を図ります。


RCCM資格の登録更新に必要なCPD単位は、(一社)建設コンサルタンツ協会が主催・共催したCPDプログラム(講習会など)への参加などによって獲得することができます。


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RCCMの仕事内容とは?

RCCMの有資格者になると、自分の専門技術部門建設コンサルタント等業務(土木設計業務など)について照査技術者や管理技術者となり、業務の適正な執行の管理、技術上の事項の処理、および業務成果の照査の責任者となることができます。


もちろん、業務担当者として技術的な業務にあたることもあります。


(一社)建設コンサルタンツ協会の「シビルコンサルティングマネージャ資格制度概要」によると、 RCCM有資格者に求められる能力は「設計業務の特質を理解し円滑、適正に業務を進めるための技術管理能力と当該専門分野の技術力」であるとされています。


■土木設計業務とは

ここで言う土木設計業務とは、国土交通省「設計業務等共通仕様書」の定義に合わせ、土木工事の前段階に行う設計・計画業務(その際、工事予定地等において行われる調査業務も含む。)のことです。
設計業務は、国土交通省だけでなく、地方公共団体や法人などからも発注されます。


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RCCMの資格を取得するメリットとは?

資格取得を検討するとき気になるのが、取得のメリットですよね。
RCCM資格の取得メリットを、ここで改めて確認しておきましょう。


メリット1:技術者としてステップアップできる

まず何より、技術者としてステップアップできるのがメリットです。


RCCMの資格を取得すると、先ほどもお話ししたように、土木設計業務において照査技術者や管理技術者を務めることができるようになります。
これは、技術系の最高峰の資格と言われる技術士と同等の扱いなので、すごさが分かりますよね。


そのため、RCCMを取得すると、社内でも責任ある立場や仕事を任せてもらえるようになるでしょう。


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メリット2:給与・年収アップが期待できる

RCCMの資格を取得することで、給与・年収アップが期待できるのもメリットと言えます。


RCCMの場合、初めて取得した資格がRCCMという人は少ない傾向にあり、他の資格を保有していて追加で取得する、という場合が多いようです(受験資格で実務経験が求められるため)。
そのため、純粋にRCCM取得のみによる給与・年収の上げ幅を算出することは困難ですが、技術士などと同様に、資格手当を設けている会社が多いです。


また、責任ある仕事にアサインされ仕事が認められれば、後々評価のアップも見込めるでしょう。


メリット3:転職に有利になる

そして、RCCMの資格取得は、転職でも有利に働くメリットがあります。


背景としては、建設業界全体でそもそも技術者が不足していること、RCCMが専門とする建設コンサルタントの分野が建設事業において重要視されるようになってきたことがあります。

そして今後も、建設業界でRCCM有資格者が求められる機会はどんどん増えていくと考えられます。


またRCCMは、官公庁発注の土木設計業務において、受注競争の際に特に重視される資格でもあるため、RCCMの有資格者を採用したい会社はたくさんあるのです。


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RCCMの資格が活かせる転職先は?

RCCMは土木分野の資格なので、資格を活かせる転職先は広く建設業界となります。


建設コンサルタント会社

RCCMは先述の通り、建設コンサルタント業務の専門技術を持っていることを証明してくれる資格です。


そのため、インフラメンテナンス、防災・減災、環境調査……などの建設コンサルタント業を生業とする建設コンサルタント会社への転職なら、RCCMの資格の優位性が最も発揮されます。


建設コンサルタント会社においても技術者全員がRCCMや技術士を取得しているわけではないので、RCCMの有資格者を喉から手が出るほど欲しがる会社も多いです。


ゼネコン・マリコン

RCCMは、ゼネコンやマリコンへの転職時にも役立ちます。


ゼネコンとは、「設計・施工・研究」の3つを自社で行う「総合建設業者」のことです。社内に土木部門も抱えているため、RCCM有資格者の需要は高いと言えます。


マリコンとは、主に海洋関係の建設工事に特化したゼネコンです。そのため、海洋土木や海岸・港湾施設などに関する専門技術部門のRCCMを取得した方は、特に親和性が高いでしょう。


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サブコン

サブコンへの転職においても、RCCMの資格を活かすことができます。


サブコンとは、建設工事において各分野の専門工事を請け負う会社のことで、元請業者(ゼネコン)から工事を受注します。

RCCMは土木分野の資格のため、建築系よりも土木系を得意とするサブコンで重宝されるようです。


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【2023年度最新】RCCMの試験概要

ここからは、RCCMの資格試験の概要についてご紹介します。
RCCMの試験および登録の流れは、大きく以下の通りです。

受験申込 → 受験予約(試験A・試験B) → 受験 → 合格発表 → 登録申請・登録手数料支払 → 登録 (→ CPD取得・講習 → 登録更新 →……)

※各手続きの詳細については、(一社)建設コンサルタンツ協会のRCCM資格ホームページから「受験の手引き」「申請ガイド」などをご確認ください。


試験は「RCCM 試験A」と「RCCM 試験B」に分かれており、それぞれについて受験予約が必要です(受験申請は1回、受験予約は試験A・試験Bの2回)。受験予約ができれば、同じ日に受験することも別日に受験することも可能です。


■受験資格

RCCMの試験を受験するには、受験資格を満たす必要があります。受験資格として求められる実務経験年数は、学歴によって異なります。

2019年から、従来よりも実務経験年数が3年短縮され、資格取得のチャンスが広がっています。


基準となる学歴 実務経験年数
⼤学院(修⼠、前期) 修了後5年以上
⼤学 卒業後7年以上
短期⼤学、⾼等専⾨学校 卒業後9年以上
⾼等学校 卒業後11年以上
中学校 卒業後14年以上

※参考:(一社)建設コンサルタンツ協会 RCCM資格ホームページ「受験の手引き
※大学院(博⼠、後期)は在学期間を実務経験年数とみなします。ただし、RCCM専⾨技術部⾨に関係する内容に限ります。
※放送⼤学、大学の夜間部に在学中の実務経験は実務経験年数に含めません。


実務経験として認められる内容は、「建設事業の計画・調査・立案・助言、及び建設工事の設計・管理の業務(以下、「建設コンサルタント等業務」という。)に従事又はこれを管理」した経験で、合計年数で計算します。


■試験スケジュール

2023年度(令和5年度)のRCCM資格試験スケジュールは以下の通りです。


受験申込期間 令和5年5月15日~6月14日(消印有効)
受験予約期間
(試験A・試験Bとも)
令和5年7月4日~10月26日
※受験予約は受験を希望する日の60日前から可能
試験日(試験A・試験Bとも) 令和5年9月1日~10月31日
合格発表 令和6年3月1日
登録申請 合格から4年以内にWeb申請システムから申請
(4年を超えると再登録扱いとなりCPD取得・講習が必要)

※参考:(一社)建設コンサルタンツ協会 RCCM資格ホームページ「受験の手引き」、「申請ガイド


■申し込み方法

「受験申込」は、「RCCM Web申請システム」での申請と、それが受理された後の郵送での書類提出の、2ステップに分けられます。


まず、RCCM資格ホームページの「RCCM Web申請システム」から受験申込書および業務実績証明書を作成し、オンライン申請します。不備なく受理されたら、受験申込票が郵送で届きます。


Web申請システムで作成した受験申込書および実績証明書を印刷し、署名・捺印・会社の証明を受けたら、必要な添付書類とともに簡易書留で事務局へ郵送します。
添付書類などの詳細については、「受験の手引き」をご確認ください。


「受験予約」は、「RCCM試験A」と「RCCM試験B」のそれぞれについて予約申し込みが必要です。
試験予約は、CBT試験を運営するプロメトリック社ホームページの「RCCM資格試験」のページから行えます。


■受験手数料

受験および合格した場合の登録などにかかる費用は以下の通りです。


各手数料 カード払い コンビニ払い
受験手数料 17,320円(税込) 17,620円(税込)
登録手数料 23,100円(税込) 23,400円(税込)
登録証・携帯登録証の再発行手数料 5,770円(税込) 6,000円(税込)
更新講習受講料 9,900円(税込) 10,130円(税込)
合格証再発行手数料 1,150円(税込) 1,300円(税込)

※参考:(一社)建設コンサルタンツ協会 RCCM資格制度事務局「手数料一覧表


■試験形式

RCCM資格試験は、CBTで実施されています。
CBTとは、コンピュータを利用した試験方式のことで、受験予約したテストセンターのコンピュータで試験を受けることになります。


試験には、マウスで選択する択一式の問題と、タイピングによる記述式の問題が出されます。


■試験内容

22の専門技術部門から、あらかじめ1つの部門を選び、それに対して4つの試験科目が科されます。


【RCCM試験A】

・試験時間:130分

・試験科目
 問題1:受験する専⾨技術部⾨の業務経験(記述式)
 問題2:業務関連法制度、建設⼀般の知識、技術者倫理等(択一)


【RCCM試験B】

・試験時間:130分

・試験科目
 問題3:管理技術力(記述式)
 問題4:⼟⽊関連の基礎的技術知識と受験する部⾨の専⾨技術知識(択一)

※参考:(一社)建設コンサルタンツ協会 RCCM資格ホームページ「受験の手引き


■合格基準

合格基準は、各年度の合格発表の際に開示されます。
令和4年度の試験では、それぞれの問題(試験科目)で配点の50%以上、かつ全体の得点が60%以上の人を合格としています。


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RCCM資格試験の合格率・難易度

RCCM資格試験の合格率の推移は、以下のグラフの通りです。


※参考:(一社)建設コンサルタンツ協会「RCCM 資格試験の状況
※令和2年度の試験は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止


平成28年度から令和3年度までのRCCM資格試験の合格率は、30%台~40%台で推移しています。


合格率は低くないですが、RCCMの試験を受験するには実務経験が必須であるため、受験者のレベルが一定以上であることが想定されます。そのため、合格率で見るよりも実際の難易度は高いと考え、しっかりと対策されることをおすすめします。


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RCCMの勉強方法

RCCMは民間資格で一般の認知度も低いためか、国家資格である技術士や施工管理技士と比較すると、試験対策アイテムが充実していない印象を受けるかもしれません。
ここでは、その中でできる勉強方法をご紹介します。


過去問を繰り返し解く

試験対策の王道ともいえる過去問は、RCCM試験でも有効です。
しかし、以前は試験機関である(一社)建設コンサルタンツ協会から公表されていましたが、2022年現在は公開されていません。


そのため、インターネット上で過去問をまとめているサイトを活用したり、講習会などに参加して手に入れた問題集などを使ったりして対策を進める方が多いようです。


苦手箇所は参考書やテキストで重点的にインプット

参考書やテキストは、最初から最後まで順番に読むのも良いですが、問題を解いて見つけた理解が足りない箇所や苦手な箇所について、重点的にインプットするために使うのもおすすめです。


記述問題はRCCM有資格者に添削してもらう

論述の問題の対策としては、自分で見直すよりも、やはりRCCM有資格者に添削してもらうのがおすすめです。可能なら、ご自身が受験する専門技術部門と同じ部門の有資格者にお願いしてみましょう。


最近はtwitterなどで有資格者を探し、文面上での添削を依頼している方もいるようです。


通信講座なども利用する

身近に協力してくれそうなRCCM有資格者がいないなら、通信講座やWeb講習会への参加がおすすめです。

費用はかかりますが、そのぶん独学より得られる情報・資料が確実に多く、また一人で対策を進めるよりも孤独感がないというメリットもあります。


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まとめ

今回はRCCMについて、資格試験情報や取得メリット、合格率や転職先など、詳しくご紹介してきました。


インフラや防災に関わる専門知識を持ち、建設コンサルタントや土木の分野で幅広く重宝されるRCCMは、今後さらに存在感を強めてきそうです。
この記事が、RCCMの資格取得を検討されている方のお役に立てば幸いです!


なお、建設業界で転職をお考えの方は、建設業に特化した求人サイト「施工管理求人.com」を、ぜひご活用ください!


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