施工管理における「品質管理」とは?具体例や重要性を解説!

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施工管理における「品質管理」とは、安全で頑丈な建造物を建設するために、工事の各段階で求められる基準や仕様が確実に満たされることを確認し、管理することです。

施工管理には5大管理と言われる管理項目があり、品質管理はそのうちの一つです。

この記事では以下について解説します。

施工管理における「品質管理」で重要なことや、管理を怠ることによる具体的なリスクについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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施工管理における「品質管理」とは?

施工管理における「品質管理」とは、安全で頑丈な建造物を建設するために、工事の各段階で求められる基準や仕様が確実に満たされることを確認し、管理することです。

施工管理には5大管理と言われる管理項目があり、品質管理はそのうちの一つです。

品質管理を徹底することは、建築物やインフラ等の長期的な耐久性や利用者の安全に直結するため、施工管理において重要度の高い管理項目と言えるでしょう。

以下では、品質管理の具体的な定義やその重要性について詳しく解説します。

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品質管理の定義と役割

品質管理とは、「工事の品質を確保するために、検査計画の立案、監視、検査、記録等により管理すること」です。

具体的には、以下のような項目を実施する必要があります。

■品質管理で実施すべきこと

  1. 計画の策定
    工事開始前に設計図や仕様書に基づき、品質基準や検査項目を定めます。
    これにより、全関係者が同じ基準を共有し、作業を効率化できます。
  2. 現場での監視と検査
    工事現場では、使用する材料の品質や施工手順が基準に沿っているかを確認します。
    例えば、コンクリートの強度試験や鉄筋配置の確認など、専門的な検査が実施されます。
  3. 不具合の早期発見と是正
    工事中に発生する可能性がある不具合を早期に発見し、修正することで、大きな問題を未然に防ぎます。
  4. 記録と報告
    品質管理の結果を記録し、関係者や発注者に報告します。
    これにより、品質基準を確保していることが証明され、将来的なトラブルを回避できます。

品質管理を徹底しなければならない理由

品質管理を徹底しなければならない理由は、主に以下の3点です。

■品質管理を徹底しなければならない理由

  1. 建築物やインフラの安全性の確保
    不適切な施工は、建物やインフラの早期劣化や崩壊につながるリスクがあります。
    品質管理を徹底することで、利用者の安全を確保することができます。
  2. 会社の信頼性とブランド価値の向上
    高品質な施工は、発注者や利用者からの信頼を獲得し、施工会社のブランド価値を高めます。
    一方で、品質管理を怠ると企業の信用が失墜する可能性があります。
  3. コストの削減
    品質管理の不備により発生する不具合の修正は、コストの増加を招きます。
    適切な品質管理を行うことで、これらの余分なコストを削減できます。

品質管理は施工管理の基盤であり、徹底することで高品質な工事の実現が可能となります。

施工管理の現場で行う具体的な品質管理(例)

施工管理の現場では、品質管理が確実に実施されるよう、様々な方法が採用されています。

以下では、現場で行われる具体的な品質管理の例を挙げて説明します。

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1. 資材の品質検査

使用する資材が仕様書に記載された基準を満たしているかを確認します。

■資格資材の品質検査

  • 例1:コンクリートの強度試験
    圧縮試験機を使用して、指定された強度が確保されているか確認
  • 例2:鉄筋の寸法・加工状態の確認
    長さや曲げ加工が設計図通りであるか測定器を用いてチェック

2. 各工事工程での検査

工事が適切な手順で進められているかを確認し、基準を満たさない部分を修正します。

■各工事工程での検査

  • 例1:基礎工事中の配筋検査
    鉄筋が正しい間隔で配置されているか確認し、記録写真を残す
  • 例2:型枠の設置状態
    コンクリートを流し込む前に、型枠が適切に固定されているかを確認

3. 作業員の教育と指導

現場で働く作業員が品質基準を理解し、適切な作業ができるよう教育を行います。

■作業員の教育と指導

  • 例1:定期的な品質管理会議
    作業内容や課題について共有し、品質向上の意識を高める
  • 例2:新技術や規格に関する研修
    使用する新しい技術や施工方法について、作業員に指導を実施

4. 現場での安全・環境管理の徹底

安全対策と環境への配慮も品質管理の一環として行われます。

■現場での安全・環境管理の徹底

  • 例1:足場の点検
    作業中に事故を防ぐため、毎日の点検を実施
  • 例2:環境への影響を最小限に抑える管理
    粉塵対策や廃材の適切な処理を実施し、環境基準を遵守

5. 品質管理記録の作成

すべての検査結果や修正内容を記録し、後日確認できるようにします。

■品質管理記録の作成

  • 例1: 検査記録書の作成
    各工程の検査内容や合否結果をドキュメントにまとめる
  • 例2: 写真記録の保存
    工事の進捗や検査状況を写真に残し、発注者や監査機関に提示可能な形で管理

品質管理を徹底することで、工事の安全性や信頼性が向上し、建築物やインフラの価値を最大限に高めることが可能です。

品質管理を行うために必要な能力・役立つ資格

施工管理において品質管理を適切に行うためには、専門的な知識や技術が求められます。

以下では、品質管理に必要な能力や取得しておくべき資格について詳しく解説します。

■必要な能力

  1. 専門知識
    • 建築や土木、設備に関する深い知識が求められます。
    • 各工事の特性や適用される基準(例えば、建築基準法やJIS規格)を正しく理解することが重要です。
  2. 分析力と問題解決能力
    • 検査や監視の結果を正確に分析し、問題が発見された際には迅速に対応策を講じる能力が必要です。
    • 例えば、コンクリートの強度不足が発覚した場合、原因を特定し、適切な修正方法を提案します。
  3. コミュニケーション能力
    • 現場の作業員や設計者、発注者との円滑な連携が求められます。
    • 品質基準や改善点を的確に伝えることが重要です。
  4. 観察力と注意力
    • 工事現場では細かな部分に目を配り、基準に反する点を見逃さない注意深さが必要です。
  5. 記録・報告スキル
    • 品質管理の記録を正確に残し、関係者へ報告するスキルが求められます。
    • 記録は、将来的なトラブル対応や監査の際に重要な資料となります。

■役立つ資格

  1. 施工管理技士(建築・土木・管工事など)
    • 施工管理技士は、施工管理を行うために必要な資格です。
  2. 建築士(一級・二級)
    • 建築物の設計や施工に関する総合的な知識を有する資格です。
    • 特に品質基準や設計図面に基づく監査能力が必要な場面で役立ちます。
  3. コンクリート技士・主任技士
    • コンクリートの品質管理に特化した資格で、強度試験や混合比の検査を行う際に有用です。
  4. 非破壊検査技術者
    • 溶接部や構造物内部の品質を非破壊で検査する技術を持つ資格です。
    • 鉄骨構造や溶接部の検査に特に役立ちます。
  5. QC検定(品質管理検定)
    • 品質管理の理論や実践に関する知識を証明する資格です。
    • 品質管理手法や統計的手法を現場で活用する能力が身につきます。

これらの能力や資格を身につけることで、施工管理の現場で求められる品質管理を高いレベルで実現することが可能になります。

適切なスキルと資格を活用し、現場の安全性や信頼性を向上させることが重要です。

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品質管理を怠ることによるリスクは?

施工管理において品質管理を怠ると、建築物やインフラの安全性や信頼性が損なわれ、さまざまなリスクを引き起こします。

以下では、品質管理を怠ることによる具体的なリスクについて解説します。

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1. 建築物やインフラの早期劣化

品質管理が不十分な場合、使用される材料や施工技術が基準を満たしていない可能性があります。

■建築物やインフラの早期劣化

  • リスク例
    コンクリートの強度不足により、建物が設計寿命を迎える前に劣化や損傷が進行
  • 影響
    修繕費用の増加や、耐久性の低下による安全性の欠如

2. 安全性の低下による事故

施工品質に問題があると、建物や構造物の安全性が大幅に低下し、利用者や作業員に危険が及びます。

■安全性の低下による事故

  • リスク例
    鉄骨構造の溶接不良により、地震や強風で倒壊する可能性が高まる
  • 影響
    人的被害や物的被害、さらには多額の賠償責任が発生

3. 会社の信頼性とブランド価値の損失

品質の低い施工は、顧客や発注者の信頼を失う原因となります。これにより、会社のブランド価値も著しく低下します。

■信頼性と会社のブランド価値の損失

  • リスク例
    完工後すぐに不具合が発生し、顧客からのクレームが相次ぐ
  • 影響
    口コミや評判の悪化による新規受注の減少

4. 修繕ややり直しによるコスト増加

品質管理を怠ることで、不具合の発見や修正に多大な費用が発生します。工期が延びることでプロジェクト全体の利益率が低下します。

■修繕ややり直しによるコスト増加

  • リスク例
    配筋のズレや断熱材の不備により、施工後に大規模な修繕が必要になる
  • 影響
    修繕費用や追加工事費用が予算を圧迫

5. 法律違反による罰則や事業停止

品質管理が不十分な施工は、法律や規制に違反している可能性があります。この場合、行政処分や罰金、さらには事業停止命令が下されることもあります。

■法律違反による罰則や事業停止

  • リスク例
    建築基準法に違反した設計や施工が発覚
  • 影響
    多額の罰金や営業停止、経営破綻の危険性

6. 利用者や地域社会への悪影響

品質の低い施工は、利用者だけでなく地域全体に悪影響を及ぼす可能性があります。

■利用者や地域社会への悪影響

  • リスク例
    道路工事で品質不良が原因の陥没事故が発生
  • 影響
    地域社会からの信頼喪失や社会的非難の集中

品質管理は施工管理における最重要項目の一つです。これを怠ることは、経済的損失だけでなく、社会的信頼や人命に関わる重大なリスクを伴います。

これらのリスクを回避するためにも、日々の品質管理の徹底が不可欠です。

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まとめ

この記事では以下について解説しました。

施工管理における「品質管理」とは、安全で頑丈な建造物を建設するために、工事の各段階で基準や仕様を確実に満たすよう管理することです。

品質管理を徹底することで、建造物やインフラ設備の不具合を防ぎ、利用者の安全を確保するだけでなく、修繕・やり直しによる無駄なコストも削減できます。

現場での検査や記録の取り組みが、施工の品質と信頼性を大きく左右します。

この記事を参考に、自身が担当する現場の品質管理に役立ててください。

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