ICT施工とは|建設業で知っておきたい言葉の意味と背景を解説!
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こんにちは、建設業に特化した転職エージェント「施工管理求人.com」です。
建設業界では最近、ICT施工という言葉をよく聞くようになりました。企業の求人でも、「施工にICTを導入しています」といったPRを見かけます。
ところでこのICT施工、あなたは説明できますか?
建設業で働く方でも、「いざ説明と言われるとちょっと……」という方が意外と多いのではないでしょうか。
そこで今回は、いま知っておきたいICT施工について、簡単に解説していきます。概要をつかみたい方、わかりやすい説明を求めている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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「ICT施工」の意味とは?
はじめにICTの意味を確認しておきましょう。
ICTを日本語にすると「情報通信技術」となります。コンピュータやインターネットを使った情報のやり取りで、人々の暮らしを豊かにする技術のことです。
そのため広い意味では、情報通信技術を使った建設工事すべてがICT施工となってしまいますが、現在はこの意味で使われることはほとんどありません。
いま言われるICT施工とは、多くの場合、国土交通省が進めているi-Construction(アイコンストラクション)の3大施策のひとつ、「ICTの全面的な活用」のことを指します。
i-Constructionの3大施策
1. ICTの全面的な活用 ←ICT施工
2. 全体最適の導入(コンクリート工の規格の標準化等)
3. 施工時期の平準化
i-Construction(アイコンストラクション)とは
建設生産システム全体の生産性向上を図り、魅力ある建設現場を目指す取り組みのことで、国土交通省が推進しています。そのための施策のうち、いち早く着手する3大施策を、「トップランナー施策」と名付けて掲げています。
参考:国土交通省 i-Construction ホームページ
「ICTの全面的な活用」は、土工の分野でいち早く進められたため、当初は「ICT土工」と呼ばれることもありました。しかしその後、ほかの工事にも活用が拡大され、現在では「ICT施工」に統一されています。
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ICT施工とは、具体的に何をすること?
ICT施工は、建設工事における「ICTの全面的な活用」のことだとお話ししました。
これはつまり、建設工事の各プロセスにおいて、利用可能なICTをどんどん活用するということです。ここでいう建設工事のプロセスは、以下の5段階です。
それぞれのプロセスでどのようにICTを活用するのか、建設工事の流れに沿って例をご紹介します。
STEP1 測量
工事前の現地状況を知るために、ドローンや地上レーザスキャナなどのICTを活用します。これによって、従来より短時間で計測ができるようになり、3次元の測量データも作れます。
STEP2 設計
ICTである3次元設計ソフトウェア(3D CADなど)を用いて、2次元の発注図面から3次元設計データを作成します。
出典:国土交通省 関東地方整備局企画部「ICT活用工事の監督・検査について」
この3次元設計データと、STEP1の3次元測量データ(工事前の地形)を使うと、盛土や切土などの施工量を自動で算出することができます。
STEP3 施工
STEP2の3次元設計データ(施工用)を搭載した「ICT建設機械」を使って施工します。
ICT建設機械には、半自動で施工を行ってくれる「マシンコントロール」式と、モニターに映し出された情報をもとに人が操作をする「マシンガイダンス」式の2パターンがあります。
これらを使うと、これまで工事のために人力で現地に目印をつけていた作業(丁張り)も不要になります。
例:「マシンガイダンス」式のブルドーザー(左)とバックホウ(右)
出典:国土交通省「ICT建設機械 精度確認要領(案)」(平成31年3月)
STEP4 施工管理
施工が設計どおりできているか、ドローンや地上レーザスキャナなどを使って出来形計測をします。
このデータをPCに取り込み、「出来形帳票作成ソフトウェア」などのICTを使うことで、これまで手入力していた出来形管理資料を自動で作成することができます。
STEP5 納品
3次元データを納品することにより、従来の膨大な検査書類が不要になります。
また、3次元計測機器などのICTを活用した検査により、検査日数や検査が必要な箇所数を大幅に減らすことができます。
参考:国土交通省 関東地方整備局企画部「ICT活用工事の監督・検査について」、国土交通省 東北地方整備局「簡易型ICT施工の活用法」、国土交通省「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」
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ICT施工はなぜ推進されている?
従来のやり方を大きく変えるこのICT施工は、なぜ推進されるようになったのでしょうか。
その目的は3つあります。
目的1:生産性をアップさせたい
建設業界では、技術者の高齢化とそれにともなう離職で、今後さらに労働力が足りなくなることが問題となっています。そのためこれまでより少ない人数で、従来と同等以上の工事をしていくことが求められます。
ICT施工を導入すると、工事が省人化されるうえ、経験の浅い人でも同じように施工ができるようになることから、一人当たりの生産性がアップします。
目的2:魅力をアップさせたい
技術者の高齢化とならび、新たに建設業界に入職する人が少なくなっていることも、担い手不足の原因です。これを解消するためには、若手にもっと建設業の魅力を感じてもらい、選んでもらう必要があります。
ICT施工を進めることで、生産性向上による給料の上昇などが期待でき、業界の魅力をアップさせることにつながります。
目的3:安全性をアップさせたい
建設業は危険が多い仕事というイメージで語られることが多く、事実、ほかの産業と比べると労働災害の発生件数が多い産業です。
ICT施工を進めることで、現場の危険を「見える化」、現場自体を「省人化」「無人化」することができ、安全性をアップさせることができます。
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まとめ
今回は、建設業界でいま知っておくべき「ICT施工」について、概要をご紹介しました。
ICT施工は、これからの人口減少の時代において、私たちの生活に欠かせない建設業を支えていく切り札となりそうです。
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