積算とはどんな仕事?業務の流れは?|やりがいや大変な点も解説!

目次

突然ですが、あなたは「積算(せきさん)」という仕事をご存じですか?


建設業に携わっている方なら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
世間的にはあまり知られていませんが、積算は「なければ工事が始まらない!」というくらい重要な仕事です。


そこでこの記事では、積算という仕事の内容・流れや、奥深い魅力などについてご紹介します。「積算って何をするの?」と思った方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。


積算とはどんな仕事?

積算という仕事は、建設業の方以外は聞いたこともないかもしれません。それもそのはず、積算は建設業にしか存在しない仕事です。
何を目的に、何をする仕事なのか、以下で詳しくみていきましょう。


積算の仕事内容

●積算の目的

積算の目的は、工事を始める前に、その工事に必要なモノや費用を明らかにすることです。そのため、積算はどんな工事でも絶対に欠かせない重要な仕事です。
プロジェクト内の積算の立ち位置は、以下のようにイメージするとわかりやすいかと思います。


(1)設計者が設計(イメージ)を作る

 これについて
(2)積算者が工事に必要なモノや費用などを見積もる

 これによって実際に
(3)工事(リアル)にうつすことができる


積算の立ち位置


設計を実際の設備や構造物に反映するには、どの材料が必要で、誰がどんな工法を使って行うのがよいか、工事着手前に分からないと、材料も人も集められません。
またそうした場合、費用はいくらかかって、利益はいくら出せるのか見込みが立たないと、事業として成り立ちません。


つまり、そのプロジェクトを利益の出る仕事にできるかどうかは、積算にかかっているといっても過言ではないでしょう。


●積算の内容

積算の仕事内容は、「拾い出し(数量算出)」と「積み上げ」に大きく分けることができます。


まずはじめに、拾い出し(数量算出)をします。


拾い出し(数量算出)とは、図面や設計書などから、工事に必要な材料・数量などを数える作業です。同時に施工条件なども把握していきます。
積算にかかる時間の多くは、この拾い出しにかかると言われています。各協会発行のマニュアルや、国がまとめた要領なども参考にしながら、根気強く正確に読み取っていきます。


次に、拾い出した数量に単価や係数などを掛け、積み上げていきます。


この積み上げ手法の詳細は、工事の種類などにより異なります。それぞれ国の積算基準書なども参考にしながら、慎重に工事費を算出します。現在、積み上げ過程では積算ソフトなどを使用することもあります。


積算は、正確な見積もりを作るのが仕事です。そのため、現場仕事ではないものの、使う資材の名前や値段の相場、工法など、建設業の専門的な知識を身につける必要があります。


とはいえ、学ぶ姿勢さえあれば初心者からでも専門的知識を身につけられる仕事でもあります。 そのため、工事現場デビューの前に、積算を学ぶことを勧める経験者もいるようですよ。


積算業務の仕事の流れ

積算の仕事は、基本的にデスクワークが中心です。
しかし、自社で施工・工事も行う会社などでは、手がける業務によって、積算のために現地調査をすることもあります。そのため、メインではないものの、外勤が発生する場合もあります。


さらに、積算業務専門の場合と、その他業務も併せて行う場合によって、一日の仕事の流れも違ってきますので、それぞれイメージをご紹介します。


●積算業務専門:Aさん

~Aさんのプロフィール~

・建設会社の積算部に所属

・30代で子供が2人いる

・休日は家族と公園へ


~Aさんのとある1日~

08:45 出社
09:00 朝礼・メール対応
09:30 積算業務
10:30 社内打ち合わせ(設計課や工事課と共に、コンペ案や工事手法などの検討)
12:00 昼休憩
13:00 施工業者と打ち合わせ
14:30 積算業務 または 社外の勉強会・説明会
17:30 資料作成・進捗管理
18:00 退社

※これは一例です


積算専門の職に就きたい場合、 建設会社のほかにも、土木・電気工事といった施工会社やハウスメーカーなどに、専門部署がもうけられている場合もあります。


また、「建築積算事務所」という選択肢もあります。構造・工法・材料などが非常に複雑になる建築工事の分野では、積算専門の事務所も存在し、一つの案件に対して「意匠」「構造」などチームで手分けして積算しています。


●積算業務と他業務を併せて行う:Bさん

~Bさんのプロフィール~

・設計会社の設計積算課に所属

・実家から通勤

・休日は学生時代の仲間とツーリングに行くことも


~Bさんのとある1日~

08:45 出社
09:00 朝礼
09:10 メール対応・入札情報などチェック
09:30 着工会議に出席
11:00 設計業務(CADを使って図面を作成)
12:00 昼休憩
13:00 設計業務
15:00 積算業務
17:30 入札準備・進捗管理
18:00 退社

※これは一例です


ほかにも、土木・電気工事などの施工会社やハウスメーカーなどで、事務職として積算の仕事がある場合などがこれにあたります。
この場合、設計業務や総務業務など、併せて行う仕事のバリエーションは様々です。


積算のやりがいは?

安定性・専門性の高い積算は、やりがいのある魅力的な仕事である一方、大変な点もあります。どのような人に向いているのでしょうか。


積算のやりがい

◎常に自分の成長を実感できる

様々な業務の図面を見て積算をするため、建築や施工について幅広く学ぶことができます。
初めのうちは、新しい図面が来るたび、新しいことを覚える必要があります。しかし、業務を担当するたび、確実に専門的な知識と経験が身につき、自分の成長を実感できるでしょう。


◎自分の積算精度が会社の経営に直結する

積算の精度は、会社が「工事を受注できるかどうか」や「必要な利益を生み出せるかどうか」に直結します。
小さなミスも見落とさない姿勢に加え、時には予算を抑えるため、他部署にアイデアを提案したりする姿勢も求められます。扱う金額や責任が大きい分、やり切った時の達成感は、代えがたいものがあるでしょう。


◎大きなプロジェクトの根幹を担える

やりがいを感じる場面として特に多く挙がるのが、「自分が携わった施設を実際に目にしたとき」という意見です。
積算は、社会インフラや生活基盤を作り上げる大きな工事においても、根幹を担う仕事であるため、日常の中でやりがいを感じることも多いでしょう。


積算の大変な点

△常に勉強し続ける必要がある

積算の知識は、一朝一夕では身につきません。一人前になるには回数を重ねて、少しずつ知識と経験を積んでいく必要があります。 また、工法や材料などは常に新しいものが生まれ、積算基準も随時新しくなるため、ベテランになっても勉強に終わりはありません


△ミスは許されない

「積算のやりがい」でも挙げたとおり、積算の結果は、業務の受注や会社の経営を左右する場合があるため、ほかの職種以上にミスは許されません。特に、規模の大きい工事になるほど、小さなミスが大きな金額の差となります。そのため、常に緊張感をもって仕事に臨む必要があります。


△繁忙期は残業が発生することも

「ワークライフバランスを保ちやすい」との声もある積算ですが、発注が多い繁忙期などは、残業が発生することもあります。その場合も集中力を切らさず、粘り強く数字と向き合う根気が求められます。


積算に向いている人

では、どんな人が積算に向いているのでしょうか。


ここでは、当サイト「施工管理求人.com」に掲載されている積算業務の求人をもとに、積算に従事する人に求められる特徴をご紹介します。自分は積算に向いているのか気になっている、という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。


●業務分野に興味を持てる人

・建築に興味を持てる方
・照明やインフラの分野に興味がある人

積算自体に加えて、積算する対象の分野(建築・照明・インフラなど)にも興味を持てる方が求められているようです。
その分野に興味が持てれば、積算の勉強もより面白くなるため、おのずと成長も早くなりそうです。


●習得に積極的な人

・新しいことにチャレンジしたいという気持ちをお持ちの方
・分からない事は積極的に質問できる方
・自分の成長のために、前向きに努力できる方

仕事や自分の成長に対して、積極的に行動できる人が求められているようです。
積算は、常に知識をアップデートしていく必要があります。それを、他人任せではなく自らできる人にとっては、努力が実力として返ってくる、非常に張り合いのある仕事となりそうです。


●地道にコツコツが得意な人

・根気よく、コツコツ真面目に取り組める方
・スケジュールや予算などの管理業務が得意な方
・せっかちでなく慎重に仕事ができる人

地道かつ緻密な仕事を求められる積算の仕事と、親和性が高そうな人物像を求める声も多く上がっています。「読み解き・謎解きが好きな人にも向いているかも」といった声もありました。


ただ、「自分はもともと、あまり管理業務は得意ではない……」という人も、あきらめる必要はありません。周囲の人の良いところを積極的に真似して、やっていくうちに得意になることもできます。


●社会人として当たり前のことができる人

・ お仕事に誠実に取り組める方
・ 明るい挨拶ができる方
・ 周囲と円滑にコミュニケーションを取りながら仕事ができる方

どの仕事でも共通して求められることは、当然ながら積算の仕事においても大切です。
ミスなく精度の高い積算をするためには、他部署としっかり意思疎通をする必要があります。他者と「気持ちよく仕事ができる」というのも、積算に求められる特徴のひとつです。


積算に役立つスキルや資格は?

ここまで読んで、積算の仕事が気になってきた、という方もいるのではないでしょうか。
そこで、あれば積算の仕事に活かせるスキルや資格について、当サイト「施工管理求人.com」に掲載されている積算業務の求人をもとにご紹介します。


現場から内勤へのキャリアチェンジを歓迎してくれる企業も多いため、「現場経験はあるけど、積算はノータッチ」という方も大丈夫です。これまでの知識や経験を活かして活躍できます。


●役立つスキル

・建設業界で働いた経験
・業務分野の知識(電気や建築など)
・設計、積算、生産管理、施工管理の知識や経験
・建設現場経験   など


●役立つ資格

・各検定種目の1級施工管理技士、施工管理技士補
・各検定種目の2級施工管理技士、施工管理技士補
・一級建築士、二級建築士
・建築コスト管理士
・建築積算士
・建築積算士補   など


施工管理技士・施工管理技士補については、こちらの記事もご確認ください。

施工管理の資格「施工管理技士」とは?|試験概要と取得メリットを解説!

施工管理技士補とはどんな資格?|技術検定の試験情報や合格率も

土木施工管理技士の受験資格とは?|1級・2級の技術検定について解説!

建築施工管理技士の受験資格とは?|1級・2級の技術検定について解説!

電気工事施工管理技士の受験資格とは?|1級・2級の技術検定について解説!

管工事施工管理技士の受験資格とは?|1級・2級の技術検定について解説!

造園施工管理技士の受験資格とは?|1級・2級の技術検定について解説!

建設機械施工管理技士の受験資格とは?|1級・2級の技術検定について解説!

電気通信工事施工管理技士の受験資格とは?|1級・2級の技術検定について解説!


一級建築士、二級建築士については、こちらの記事もご確認ください。

一級建築士の難易度・合格率|受験者の9割が落ちる試験を突破するには

二級建築士の難易度・合格率|難関試験に合格した人の勉強法をご紹介!


建築コスト管理士・建築積算士・建築積算士補とは?

公益社団法人 日本建築積算協会が実施する認定事業です。


●建築コスト管理士

建築プロジェクトの企画構想段階から、設計の各段階および施工段階に至る全ての局面で、コストマネジメントを行う専門家。

※試験情報はこちら


●建築積算士

建築物の工事費について、数量算出から工事費算定までを行う専門家。

※試験情報はこちら


●建築積算士補

建築物の工事費の算定について、適正な基礎知識を有する専門家予備軍。

※試験情報はこちら

※参考:公益社団法人 日本建築積算協会「資格について


まとめ

今回は、「積算」の仕事内容についてご紹介するとともに、知る人ぞ知る積算のやりがい・大変な点などについてもお伝えしました。


積算は、業務を通して高い専門性が身につき、第一線で長く活躍できる仕事です。この記事を通して、建設業界経験者はもちろん、これから飛び込む方にも興味を持っていただけたら嬉しいです。


施工管理・積算の求人を探すなら、当サイト「施工管理求人.com」を、ぜひご活用ください!