CADオペレーターとは|仕事内容・魅力・転職に必要な資格は?

目次

こんにちは、建設業に特化した求人サイト「施工管理求人.com」です。


CAD(キャド)に興味のある方や、CADを使った仕事をしたい方にとって、「CADオペレーター」はどんな職業か気になるところですよね。


また、建設業界などで働き、CADにふれたことがあっても、CADオペレーターの仕事はよく知らない、という方も多いのではないでしょうか。


この記事では、CADオペレーターの仕事内容をはじめ、魅力・大変な点・転職に必要な資格などについて、詳しくご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。


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CADオペレーターとはどんな仕事?

CADオペレーターとは、「設計者から指示を受け、CADというソフトを使って、様々な図面の作成や修正を専門的に行う技術者」のことです。
ものづくりをする業界で広く必要とされますが、メインで需要があるのは建設業界です。


そのため、ここでは、建設業界におけるCADオペレーターに焦点を当ててお話ししていきます。


CADとは

仕事内容などについて解説する前に、あらためてCADとは何なのか確認しておきましょう。


CADとは、簡単に言うとコンピュータ上で設計・製図をするためのソフトウエアのことです。「Computer Aided Design」の頭文字をとって、こう呼ばれます。


●CADを使うメリット

CADが使われるようになる以前は、手書きで設計図などを書いていました。
しかし、手書きには以下のような欠点がありました。


・作図者の熟練度が図面の質に影響
・修正が大変(汚れ・破れ)
・共有が大変
・データとして応用できない


これらの問題を解決できるCADは、建設業界において欠かせないツールとなっています。


●CADには種類がある

CADは、平面的な図面を描く2D CADと、立体的に形状を描ける3D CADの、2種類に分けられます。


さらに、その中にも様々なソフトがあり、幅広い分野の設計に使われる汎用CADと、ある分野(電気設備や建築など)の設計に特化した専用CADに分けることができます。


CADオペレーターの仕事内容

●CADで設計図を作成・図面修正

CADオペレーターの主な仕事は、CADを操作して建築物や設備などの正確な図面を描くことです。


基本的には、設計者(建築士など)が作成した手書き図面をCADにトレースしたり、設計者の作成した仕様書やラフスケッチ(手書きの簡単な概念図)をもとに、直接CADで設計図を仕上げたりします。
また、既成図面の修正も随時行います。


●CADオペレーターと設計者の違い

建築物や土木構造物などを専門として、その設計を行う設計者と違い、CADオペレーターはCADのスペシャリストとして、CADを操作するのが主な仕事です。
そのため、設計者の指示をよく理解し、それに従いミスなくわかりやすい図面をつくることが求められます。


ただし、会社の方針や本人の経験によっては、CADの操作だけでなく一から設計図を作成したり、3D CADを操作してモデリングを行うこともあるようです。


●CADオペレーターの1日

CADオペレーターの1日の仕事の流れは、以下のようなイメージです。


08:45 出社
09:00 朝礼・タスク確認
09:10 担当図面の進捗チェック
09:30 CADで図面作成
12:00 昼休憩
13:00 図面提出・設計者と打ち合わせ
14:00 打ち合わせを受けて、図面を修正
15:00~15:15 休憩
18:00 進捗を報告、退社
(納期前は残業することも)

※当サイト「施工管理求人.com」に掲載されている求人を参考に、当社で作成した一例です。


CADオペレーターの役割

プロジェクト内のCADオペレーターの役割は、簡単に説明すると以下のようになります。


(1)設計者がおおまかな設計をする

(2)CADオペレーターがCADで設計図を描く(設計者と相談して設計を練り直すことも)

(3)CADでつくった設計図などをもとに、積算や施工図作成が行われる

  ※施工図:実際に施工するために必要な詳細図面


CADオペレーターの流れと役割


CADで作成された設計図は、工事費用の見積りや建築資材の調達などの、重要な情報源です。また、完成後も保管して、修理や改修時に使用されます。


そのため、CADオペレーターの仕事は、設計から施工・改修に至る一連の流れの中で、重要な役割を果たしていると言えます。


★CADオペレーターに関連する仕事は、こちらの記事をご覧ください!


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CADオペレーターの魅力とは?

建設業界で欠かせない仕事であるCADオペレーターには、以下のような魅力があります。


仕事がカタチになり、人の役に立つ

なんといっても、「自分の仕事の成果がカタチとなって社会に残っていく」というのは、CADオペレーターの大きなやりがいです。


自分がCADで描いた設計図をもとに、実際に建築物や構造物が出来上がっていく姿や、完成して利用者の役に立っているところを見ると、責任感とともに大きな感動を覚えるでしょう。


手に職がつく

CADは、建設業界のどの分野でも必ず使用されるうえ、他業界でも活躍の場がある汎用性の高いスキルです。

そのため、一度CADの操作スキルを習得すれば、そのCADソフトを使用する様々な環境で働くことができます。図面に関する知識・経験も、幅広い場面で役に立ちます。


さらに、CADオペレーターをしながら建築や設計の知識を学ぶことで、将来的に「建築士」や「設計技術者」を目指すこともできます。

また最近では、建設業界におけるICTの活用が進んでいます。そのため、これから需要が高まる「BIM/CIMオペレーター」として経験を積んでいくことも、視野に入れておきたいところです。


BIM/CIMとは?

BIM/CIM(ビム/シム)は、「Building/Construction Information Modeling」の略称です。
インフラ分野のデジタル・トランスフォーメーションの一環として、国土交通省が取り組みを推進しています。


BIM/CIM対応ソフトを使うと、3D CAD同様、コンピュータ上で三次元のモデルを作成できます。
さらに、BIM/CIM対応ソフトで作成したモデルには、形状の情報だけでなく、空間の名称や面積、材料の仕様など、意味や数値の情報を持たせることができます。


3D CADとの大きな違いは、その目的といえます。
3D CADは、設計を目的としています。
一方、BIM/CIMは、作成したモデルを関係者間で共有することで、調査・設計・施工・維持管理といった、建設生産システム全体の効率化・高度化を図ることを目的としています。

※参考:国土交通省ホームページ「BIM/CIM関連」「インフラ分野のDX


チームでつくり上げるおもしろさがある

CADで設計図をつくる仕事は、CADオペレーターの役割でお話しした通り、プロジェクトにおける設計過程の一つです。CADオペレーターがCADで正確な設計図を作ることは、円滑にプロジェクトを進めるうえで、非常に重要な意味を持ちます。


関係者と連携して一つのものを作り上げていくため、一人で完結する仕事とは一味違う面白さ・達成感を感じることができるでしょう。


ものづくりの仕事だけど力がいらない

CADオペレーターの仕事は基本的にデスクワークであるため、ものづくりの現場では珍しく、あまり力が必要とされません。そのため、女性もチャレンジしやすい点や、年齢を重ねても活躍し続けられるという点が魅力です。


また、現場作業ではないため在宅ワークを取り入れやすいという点も、新たな魅力と言えそうです。


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CADオペレーターの大変な点とは?

魅力が多いCADオペレーターの仕事ですが、一方で、以下のような大変な点もあります。


納期前は忙しい

CADオペレーターの大変な点として、「図面の納期前は忙しい!」という声がよく聞かれます。


建設業界では、工期が絶対と言われています。工期に間に合わせるためには、各工程それぞれにおいて、確実に期限を守っていく必要があります。そして、忙しくても決して妥協は許されません。CADオペレーターの作る図面は、後工程で大いに利用され、そのプロジェクト自体の出来に大きく影響するからです。


図面の納期が重なって、修正が時間内に終わらず、残業が発生することもあります。それでも、「何としてもやり遂げる」という意志をもって、根気強く取り組む必要があります。


集中力が必要で疲れる

CADオペレーターは、毎日長時間パソコンの画面を見続けたまま、高い集中力を求められる細かいCADの操作を行います。そのため、肩こりや腰痛、目の疲れがひどくなりがち、ということも大変な点として挙げられます。


疲れて集中力が落ちてくると、作業効率が落ちたり、ミスが発生しやすくなります。CADオペレーターの仕事では特に、適宜休憩をはさんだり、おやつなどで上手にリフレッシュしたりすることが大切です。


勉強し続ける必要がある

同じCADソフトを使った仕事でも、日々業務内容は変化するため、常に技術を更新し続ける必要があります。さらに、近年はBIM/CIMなどの導入も進んでいるため、新しく勉強が必要な機会は増えていくと考えられます。


また、未経験から始める場合は、新たにCADソフトの使い方を覚えなければ仕事ができません。業界用語や専門知識もあわせて覚える必要があるため、最初は大変でしょう。
そのため、覚えることの多さに面白みを感じられる人でないと、成長は難しいかもしれません。


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CADオペレーターに向いている人とは?

魅力と大変な点、両方を把握したところで、CADオペレーターにはどんな人が向いているのでしょうか。当サイト「施工管理求人.com」に掲載されている求人などをもとに、CADオペレーターに求められる特徴をまとめました。


その結果、CADを扱った経験がある人や、建設業界の経験者以外にも、以下のような人が求められているようです。


幅広い工事に興味がある人

・建設業界や工事に興味のある方
・新しい案件に好奇心をもって取り組める方
・ものづくりや建築が好きな人

CADオペレーターには、建設業界や工事について、興味・関心がある人が求められているようです。


CADオペレーターは、設計図を作成することで、たくさんの工事にかかわります。そのため、「いろいろな工事に携わりたい」という、ものづくりや建築が好きな人や、新しい業務ほど好奇心がわく人には、とても向いている仕事と言えます。


また、設計者と一緒に働くため、その視点や知識も学べることから、キャリアや経験の幅を広げたいと考えている人にも向いています。


チームのことを考えて取り組める人

・周囲とコミュニケーションをとりながら仕事を進めていける方
・プロジェクト全体を考えて仕事ができる人

設計者など関係者と円滑にコミュニケーションをとり、協力して作業を進められる能力は必須と言えます。なぜなら、工事の完成という一つの目的に向けて、プロジェクトの一員として役割を果たすことが求められるからです。


また、与えられた仕事に取り組むだけでなく、後工程を見据えて自分にできることを考えられるようになると、手戻りが減り、優秀なCADオペレーターとして重宝されるでしょう。


聞き上手な人・誰かのためを考えるのが好きな人は、向いていると言えそうです。


仕事に実直に取り組み、最後までやり遂げる人

・コツコツと真面目に取り組める方
・仕事に集中力を発揮できる人
・1つのことをきちんと最後までやり遂げられる人

CADオペレーターの仕事で何よりも大切なのは、正確な図面を、決められた期限までに完成させることです。


そのため、仕事に対する真面目さや、スピードを保ちつつ細かい部分に気付くために必要な集中力がある人が求められています。
また、修正が重なっても、何としても期限までにやり遂げるという粘り強さも必要です。


派手に目立つより、縁の下の力持ちとして支えるほうが性に合う、という人は向いていそうです。


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CADオペレーターに転職したい!必要な資格とは?

結論から言うと、CADオペレーターは資格がなくてもできる仕事です。
求人の応募条件としても、CADに関する資格を求める会社は少なく、資格よりも、CADで図面を作成した経験やCADの操作スキルが求められているようです。


とはいえ、応募条件を「未経験OK」「経験不問」としている会社も多々あります。未経験からCADオペレーターに転職したいという方は、こういった条件の求人を探して応募してみましょう。

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ただ、「経験不問」には以下のようにいくつかパターンがあるため、注意が必要です。


CADオペレーターとしての経験は不問だが、
・CADの基本操作ができる
・設計の実務経験がある
・パソコンの基本操作(Word・Excel)ができる など


なお、自分の経験が少し条件に不足していると感じても、気になる求人があった場合、応募してみましょう。判断するのは企業であり、多少経験の内容が条件と違っても、チャンスがあるかもしれませんよ。


また、資格は必須ではないと述べましたが、未経験の方の場合、転職活動を少しでも有利に進めるために、資格を取得するのも手です。資格取得には一定の知識と技能が必要なため、資格を持っているということは、最低限CADを操作できることの裏付けになります。


CADに関する資格には、以下のようなものがあります。自分が希望する分野でよく使われているソフトの資格を選んで勉強しましょう。

●CAD利用技術者試験

:知名度・汎用性があり、幅広い方におすすめ

(一社)コンピュータ教育振興協会「CAD利用技術者試験


●オートデスク認定資格プログラム

:AutoCADを使う予定の方におすすめ

オートデスク社「オートデスク認定資格プログラム


●建築CAD検定試験

:建築分野のCADオペレーターを目指す方におすすめ

(一社)全国建築CAD連盟「建築CAD検定試験

など


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CADオペレーターとは、建設業界の「縁の下の力持ち」!

今回は、CADオペレーターの仕事内容や魅力、資格などについてお話ししてきました。


CADオペレーターは未経験からでも、建築や土木などの、ものづくりの現場で活躍できる仕事です。また、手に職がつき、将来性もあります。
少しでも興味を持ったという方は、この機会にぜひ「施工管理求人.com」をのぞいてみてくださいね。


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