建築積算士とは|仕事内容を解説!資格試験や転職に役立つ情報も

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こんにちは、建設業に特化した転職エージェントの「施工管理求人.com」です。


限られた費用の中で、建築主(施主)の希望を満たす建築物をつくること。
これは、建築工事のひとつの使命です。


そのため、建築費算定の専門家である「建築積算士」は、建築工事に欠かせない存在と言えます。


この記事では、建築積算士の仕事内容をはじめ、資格試験や転職に役立つ情報もご紹介していきます。「積算の仕事に興味がある」「建築を支える仕事をしたい」という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。


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建築積算士とは、有資格者のこと

建築積算士とは、公益社団法人 日本建築積算協会の建築積算士試験に合格し、資格者登録をした人のことを言います。


資格がなくても建築積算は行えますが、建築積算士であるということは、建築物の工事費を算定する高度な専門知識および技術を持っているという証明になります。


さらに建築積算士は、企業が国土交通省発注業務の入札に参加する権利を得るために受ける「測量・建設コンサルタント等業務競争参加資格審査」(業種区分:建築関係 建設コンサルタント業務)において、加点の対象になっています。


また、地方公共団体や外郭団体発注の案件などでも、「建設工事入札参加資格審査」や「測量・建設コンサルタント等業務競争参加資格審査」の評価対象となることがあります(詳細は県や団体などにより異なります)。


そのため積算担当者だけでなく、コストを管理する場面のある建築士や、建築施工管理にとっても、建築積算士は取得しておくと役に立つ資格と言えます。


建築積算とは

建築積算とは、「建築物の工事費(コスト)を適正に算定する仕事」です(公益社団法人 日本建築積算協会「建築積算を学ぶ魅力のパンフレット」より)。


大きなお金が動くことになる建築工事では、あらかじめ建物の工事にかかる費用を精度よく導き出す、建築積算の仕事が大変重要です。積算してコストを管理しないと、「完成してみたら発注者の予算をオーバーしていた」「必要な利益を確保できなかった」ということが発生しかねません。


●建築積算の手順

建築積算ではまず、発注者の要望や設計者の意図を把握して、建物およびその工事に必要な材料や人材とその数量を、設計図書から拾い出します。
そして、工法や資材相場、周辺環境なども加味しつつ単価を積み上げていき、最終的な建物の価格を決めます。


このように建築積算は、建築に関する幅広い専門知識や計算能力が求められるため、専門性を身につけて長く続けられる仕事でもあります。


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建築積算士の仕事内容

建築工事は公共工事と民間工事に分けられ、建築積算士はそのどちらの積算も担当します。


●公共工事

公共工事では、積算基準に沿った、入札するための積算を行います


税金が使われる公共工事では、公平かつ公正に工事業者が選ばれる必要があります。そのため、少額の工事や緊急性の高い工事などを除いて、複数の候補者の提示価格を競わせる「競争入札」で業者が決められます(参考:総務省 地方公共団体の入札・契約制度「入札・契約制度について」)。


この仕組みの中で、企業が戦略的に提示価格を決めて工事を受注するためには、正確な積算が求められます


公共工事の積算は、国土交通省や各都道府県などが監修・編集している積算基準や要領、単価などに準じて行う必要があります(詳細は各発注機関により異なります)。そのため建築積算士は、これらの資料と工事の公告資料をよく読み込んで、積算を行います


●民間工事

民間工事にも入札があるため、建築積算士は設計に基づいて、見積りのもととなる最適な工事費の算定を行います


民間工事の入札には、公共工事のような厳格な決まりはなく、どの業者に依頼するかは発注者が比較的自由に決めることができます。さらに信頼関係などをもとに、入札を行うことなく特定の業者に決定することもできます。


とはいえ最終的には、受注者と発注者(施主)の間で金額の合意がなければ、工事を行えません。双方が納得できる、根拠に基づいた正当な金額提示のためにも、的確な積算が必要です。


加えて、建物の設計を担当する設計事務所や建設会社、ハウスメーカーなどでは、コスト管理の役割も担います

この場合建築積算士は、「設計を実現するにはいくらかかるか」を算定し、「予算内で発注者(施主)の要望をかなえるにはどうすればよいか」を設計者と検討することもあります。


公共建築工事の積算に関する資料例

●国土交通省「公共建築工事積算基準等関連資料

●国土交通省「官庁営繕の技術基準 3-6.工事費積算関連

公共住宅事業者等連絡協議会 編『公共住宅建築工事積算基準』※書籍

●各都道府県発表の積算標準単価等(各都道府県ホームページ掲載)   など


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建築積算士の将来性

建築積算は、建築工事がある限り欠かせない仕事です。

そして私たちの生活がある限り、建築工事のニーズもありつづけるため、建築積算士の仕事がなくなることはないと言えます。


さらに今後の建築業界では、コスト管理はさらに複雑になっていくと考えられます。


建物の省エネ・省CO2化への対応や、ニーズの多様化により、工事難易度は上昇しています。

そこに建築資材価格の高騰も重なり、求められるクオリティとコストとのバランスをとるためには、建築積算の仕事がより重要になってきています。


したがって、建築積算士は将来性のある仕事だと言えるでしょう。


●上位資格へのステップアップでさらなる活躍も

また建築積算士には、上位資格として「建築コスト管理士」があります。建築コスト管理士は、建築積算についての国内最上位の認定資格と位置付けられています。


建築積算資格のキャリアパス

建築積算資格のキャリアパス

参考:公益社団法人 日本建築積算協会「資格について


建築コスト管理士は、「企画・構想から維持・保全・廃棄にいたる建築のライフサイクル全般に渡って、コストマネジメント業務に関する高度な専門知識及び技術を有する専門家」と定義されています(公益社団法人 日本建築積算協会「資格の定義」)。


つまり、建築プロジェクトの始めから終わりまで一貫してコストマネジメントに関わる、建築コストのプロフェッショナルと言えます。


建築積算士から建築コスト管理士にステップアップすることで、活躍のフィールドや業務の裁量を大きく広げることができます


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建築積算の仕事に転職するには

建築積算の仕事をしたい場合、働き口として建設会社・設計会社・ハウスメーカー・工務店・建築積算事務所などが考えられます。


当サイト「施工管理求人.com」では、「建築分野」かつ「測量/積算/調査/その他」の条件の仕事を、すぐに検索できますよ


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また、プロの手を借りながら、より効率的に転職活動を進めたいという方には、キャリアアドバイザーによる転職サポートがおすすめです。


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なお、建築積算を行うポジションには、建築積算専任のものと、生産管理や設計などほかの業務もあわせて行うものがあります。建築積算事務所については文字通り、建築積算専任であることが大半ですが、それ以外の会社の場合はそれぞれ内容が異なります。


そのため求人情報をよく読んだ上で、会社ホームページに社員インタビューなどがあればそちらもチェックしたり、転職サポートを受ける方はキャリアアドバイザーに質問したりして、仕事内容をよく確認しましょう。


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未経験から建築積算に転職できる?

未経験でも建築積算の仕事につくことは可能です。


建築積算をする人に求められるのは、積算のやり方についての知識および技術だけではありません。

設計図や仕様書が読めること、工程・工法など建築工事の専門知識があること、高い計算能力があることなども同時に求められます。


そのため、積算は未経験でも業界経験があるという方は、図面を読む力や資材の知識など、建築工事の設計や施工で得たあらゆる経験が活かせます


●「積算経験も業界経験もない」という方も大丈夫

前述のとおり積算は専門的な知識と技術を求められる仕事ですが、はじめからできる人はいません。意欲があって習得のために努力できる人であれば、未経験者を採用して、時間をかけて育てていこうという会社もあります。


フォロー体制を整えて未経験者を歓迎している会社や、はじめは先輩のアシスタントとして働かせてくれる会社などを選んで、経験を積んでいきましょう。


転職にあたって、建築積算未経験者の場合は特に、資格取得の勉強をすることで基本的な知識を身につけられるのでおすすめです。「建築積算士」の資格取得を目指して、まずは建築構造や施工の概要を学ぶところからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。


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【2023年度最新】建築積算士の資格試験について

ここでは、建築積算士の資格試験についてご紹介します。


試験概要

建築積算士の試験には一次試験と二次試験があり、一次試験に合格すると二次試験を受けることができます。

二次試験に合格し、さらに合格した年度内に登録申請をすることで、晴れて建築積算士の称号が付与されます。


資格者登録の有効期間は3年間ですが、日本建築積算協会が実施する更新講習を受けることで、登録の更新ができる仕組みになっています。


建築積算士の試験概要

建築積算士の試験概要

参考:公益社団法人 日本建築積算協会「建築積算士制度の概要


受験資格

一次試験は、受験年度の4月2日時点で、満17歳以上の人が受験できます。


二次試験は、年度内に一次試験に合格した人、および一次試験を免除された人が受験できます。なお、一次試験が免除されるのは、以下の条件に該当する人です。(カッコ内は必要書類)。

  • ・建築コスト管理士、建築積算士補 (資格登録番号)
  • ・一級建築士、二級建築士、木造建築士 (免許証等の写し)
  • ・1級建築施工管理技士、2級建築施工管理技士 (合格証明書等の写し)
  • ・日本建築積算協会が実施する積算学校卒業生
     (卒業した積算学校事務局発行の証明書又は卒業証)
  • ・過去の一次試験合格者 (二次試験受験票(正)又はその写し)

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試験日程

建築積算士試験について、2023年度(令和5年度)の試験日程は以下のとおりです。


<一次試験>

申込期間 :2023/6/1(木)~2023/8/31(木)
試験日  :2023/10/22(日)
合格発表日:2023/12/1(金)
※受験手数料 27,500円(学生会員は13,750円)(税込)


<二次試験>

申込期間 :2023/10/2(月)~2023/12/7(木)
試験日  :2024/1/28(日)
合格発表日:2024/3/1(金)
登録申請 :合格発表後~2024/3/15(金)
※受験手数料 27,500円(年度内一次試験合格者は不要)(建築積算士補、学生会員は13,750円)(税込)
※登録手数料 13,200円(合格者のみ)(税込)


詳しくは、公益社団法人 日本建築積算協会「2023年度 建築積算士試験のご案内」をご確認ください。


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試験内容

2023年度(令和5年度)の建築積算士試験の内容についてご紹介します。


一次試験は学科試験となっています。

試験の形式は4つの選択肢から1つを選ぶ「4肢択一」形式で、問題数は50問試験時間は3時間です。


二次試験は短文記述試験と実技試験で構成されています。


短文記述試験の形式は200字以内の記述式で、問題数は2問試験時間は1時間です。

実技試験では文字通り、実際に建築積算を行います。図面に基づいて数量を計測・計算して、内訳明細を作成するという内容です。問題数は4問(4分野)で、試験時間は4時間30分です。


※こちらでご紹介した情報は、公益社団法人 日本建築積算協会「建築積算士」を参考にしています。


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まとめ

今回は、建築積算士の仕事内容に加え、転職に役立つ情報や資格試験の概要についてもご紹介しました。

建築積算は建築分野において重要な役割を担い、これからさらに活躍の場を広げていくと考えられる、魅力的な仕事です。


この記事が積算や建築に興味のある方にとって、一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。
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